「パナソニックエレクトロニックデバイスジャパン」(大阪府門真市)に、労働者派遣法が定める派遣期限の3年を超えて事実上勤務したとして、正社員化を求めて同社を提訴した敦賀市の河本猛さん(31)が1日、働いていた同市堂の工場を訪れ、雇用条件の改善などを求める団体交渉を行うよう訴えた。パナ社は「正社員でないので、団体交渉は受けられない」と拒否した。
パナ社は、河本さんの雇用を巡って昨年12月に福井労働局の是正指導を受けた。今年1月、派遣労働者を直接雇用に戻す際の条件として時給810円のアルバイトを提示。これに対し河本さんは「事実上の正社員であり、実質的な賃下げだ」と訴え、団体交渉を行うよう求めていた。この日対応したパナ社の人事担当者は「訴訟になったので、話し合いはすべて代理人を通して行う」と述べた。【酒造唯】
毎日新聞 2009年4月2日 地方版