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北のミサイル、「飛んだ」の誤報…担当者が勘違い、防衛省先走り

4月5日8時1分配信 スポーツ報知


  原因は勘違い−。北朝鮮ミサイル発射の誤報が日本全国を駆けめぐった。4日昼、政府は北朝鮮が「飛翔(ひしょう)体」を発射と発表したが、その5分後に「誤探知」だったとして取り消し。防衛省によると、航空自衛隊のレーダーが不審な航跡を探知したことに加え、担当者が「米軍の早期警戒衛星も発射を探知」と勘違いしたまま情報を伝達してしまったことが原因だという。河村建夫官房長官は同日夕、「国民に心配をかけ、率直におわびしたい」と陳謝した。

 まさかの「誤報」に浜田靖一防衛相は「早く国民に伝えようと前のめりになった」と失態を説明した。

 防衛省によると4日午後0時16分ごろ、航空自衛隊の防空指揮群(東京都府中市)から航空総隊司令部(同)に、空自弾道ミサイル監視用レーダー「FPS5」(千葉県旭市)が不審な航跡を探知したと連絡が入った。

 ところが連絡を受けた担当者は、この情報に加え、米軍の衛星も発射を探知したと勘違い。そのまま別の担当官に伝達してしまった。航空総隊司令部は同16分、防衛省の中央指揮所に「探知」を報告。担当者が、ただちに「発射」を専用回線でアナウンスした。

 指揮所内の音声は首相官邸で同時モニターされている。緊急情報はすぐに自治体やメディアへ一斉送信された。ところがその1分後、米軍探知という情報は「航空総隊の単なる言い間違い」(防衛省幹部)だったことが判明。「普段から連絡テストで繰り返している言葉が、思わず口に出てしまったようだ」(防衛省幹部)

 浜田防衛相は誤報を伝えた防衛省幹部を「正しい情報を持ってこい。お前ら何やってるんだ」としっ責。「発射情報」は防衛相に知らされる前に官邸に届いていたという不手際もあり「順序が逆だ」との思いも怒りを倍増させたようだ。

 政府関係者によると当初のマニュアルでは、衛星情報は中央指揮所から官邸に文書でファクス送信されることになっていた。しかしリアルタイムで情報を得たい官邸側の指示で、3日夜に急きょモニターシステムが導入されたという。言い間違いに気付いた航空総隊では、1分もたたぬ間に訂正を入れており、ファクス連絡のままだったら前代未聞の誤発表は回避できた可能性が高い。

 麻生首相は迅速な情報提供で危機対応力の高さをアピールしようとしていたが、速報に力点を置きすぎた政府全体の前のめりの姿勢が勇み足を招いた格好だ。

 首相は「発射情報」が入るや、官邸で記者団のぶら下がりインタビューに応じるため、公邸を徒歩で出た。河村官房長官は誤報と知らせようと電話したが既に不在。インタビュー直前に同行の秘書官に連絡が入り、首相は待ちかまえる記者団の前を素通りして危機管理センターに入った。

 誤報を受けて発射非難のメッセージを出していれば、北朝鮮に逆手を取られたことは必至で、政府関係者は「危機一髪だった」と振り返る。

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最終更新:4月5日8時1分

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