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巨額貿易黒字のわな、今こそ競争力強化を(上)

 韓国の3月の貿易黒字は過去最高を記録した。しかし、不況型の黒字構造である上、ウォン安効果に酔いしれ、競争力強化に向けた努力を怠ったまま安住していれば、5-10年後にはライバル国に追い抜かれる事態が懸念される。

 知識経済部は1日、3月の輸出入動向を発表した。それによると、輸出は前年同月比で21%減の283億7000万ドル、輸入は同36%減の237億6000万ドルとなり、貿易収支は46億800万ドルの黒字を記録した。これは月次ベースで過去最高を記録した1998年4月(38億5000万ドル)を7億ドル以上も上回る新記録だ。

 今年1月に9億9000万ドルにまで減少した1日当たりの平均輸出額は、3月には11億8000万ドルに増え、輸出減少率も1月の34%から3月には21%に縮小したことが慰めとなっている。年初来3カ月の貿易黒字は39億2400万ドルとなった。

 英国を訪問している李明博(イ・ミョンバク)大統領は1日、米CNBCの取材に対し、「韓国の輸出は1月以降、2、3月まで比較的安定しており、今年末には150億-200億ドルの貿易黒字が見込まれる」と述べた。

 世界的な経済危機の余波で内需不振、金融不安が続く中、輸出が韓国の経済再生を下支えする存在として脚光を浴びている。

 しかし、過去最高の貿易黒字の実態は異なる。輸入の減少ペースが速い上、周辺国より相対的に良好な輸出も相当部分はウォン安効果によるものだ。3月の輸入(36%減)は1998年10月(39.3%減)以来、11年ぶりとなる大幅な落ち込みとなった。

 輸出は主力13品目のうち船舶を除く12品目が減少を示し、11品目は2けた台の減少となった。携帯電話、自動車、家電など代表的な品目ですら海外シェアが上昇しても、値引き販売やマーケティング費用の増加などで3月の輸出は20-46%減少した。

宋義達(ソン・ウィダル)産業部次長待遇

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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