北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射情報が誤って流れたことについて、防衛省は4日午後、「航空自衛隊の千葉県旭市にあるFPS−5地上レーダーが日本海で何らかの航跡を探知、それをミサイルの発射情報として伝達した」と説明した。防衛省幹部は「米軍からミサイル発射探知の情報は入っていない」と指摘。政府は「このような誤情報を出したことは、誠に遺憾だと考えております」とのコメントを発表した。
政府は午後0時16分、緊急連絡「北朝鮮飛翔(ひしょう)体情報」“第1報”を一斉同報システム(エムネット)で各自治体や報道機関に出し、「さきほど北朝鮮から飛翔体が発射されたもようです。テレビ、ラジオ等の情報に注意してください。続報が入り次第お知らせします」と公表。同時に官邸連絡室を官邸対策室に格上げした。
首相公邸で待機していた麻生太郎首相も直ちに官邸に入り、(1)日本領域の安全確認と航空機、船舶の安全確認(2)情報収集態勢の強化(3)国民への迅速な情報提供−の3点を関係各省庁に“指示”。しかし、5分後の0時21分、「さきほどの情報は誤りです。飛翔体の発射は確認されておりません」と発表を取り消し、指示も撤回された。
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