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【北ミサイル】慎重になった北朝鮮技術陣 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:核・ミサイル事情
日米韓3カ国の当局者の間では、北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射について「4日正午」とする意見が大勢を占めていた。だが、結果は「見送り」。その理由を防衛省や外務省でも分析を進めているが判然としていない。そもそも、北朝鮮の技術レベルと発射するとされるテポドン2号改良型の性能が細部まで解析できていないのだから分析には制約が伴う。ただ、発射が失敗すれば、日本列島にその残滓(ざんし)が襲来する可能性もあることから、北朝鮮の「慎重姿勢」に安(あん)堵(ど)する皮肉な現実も生み出している。(野口裕之)
発射は(1)政治的判断(2)技術的見地(3)環境−の、主に3条件で決定される。
今回の場合、政府部内で真っ先に出た見解は「風」だ。というのも、北朝鮮の長距離弾道ミサイルは液体燃料が主に使用されるが、固体燃料に比べ爆発力に劣り、離陸速度が遅い。このため、発射時に秒速15メートル以上の風が吹けば、ミサイルが発射台に接触する懸念があることなどから原則、発射は見送られる。ところが軍事筋は、予報より強かったとしながらも、現場は風速8〜12メートルであった事実を指摘している。この辺りから浮上しているのが「技術陣が極度に慎重になっている」という観測である。
北朝鮮は、2006年にテポドン2号の発射に失敗している。このときは、液体燃料が腐食を誘発するため、注入後速やかに発射しなければならないにもかかわらず、注入から発射まで2週間以上経過。(1)腐食で脆弱(ぜいじやく)になったミサイル外板にエンジン燃焼の圧力で大きな傷ができた(2)軽量化を優先する余り強度が担保できなかった(3)噴出口の腐食−などが原因だった、ともいわれる。
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