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【北ミサイル】 崩れたシナリオ 誤報に振り回された首相官邸 (1/2ページ)

2009.4.5 00:11
このニュースのトピックス安全保障
首相官邸周辺を早朝散歩する、麻生太郎首相=4日午前9時5分、東京都千代田区首相官邸周辺を早朝散歩する、麻生太郎首相=4日午前9時5分、東京都千代田区

 すべてはシナリオ通りに進むかと思われていた。

 3日夜に外遊先のロンドンから帰国したばかりの麻生太郎首相は4日午前8時半から桜が満開となった国会周辺を約40分間かけてウオーキングし、「普段通りの朝」を演出した。

 だが、公邸にはすでに首相秘書官らが待機していた。首相はニヤッと笑ってソファに座り、北朝鮮のミサイル発射準備状況について報告を受け、発射後の対応について最終的な打ち合わせをした。

 想定では、首相は公邸で待機し、ミサイル発射の一報が入れば、速やかに(1)日本領域の安全確認と航空機、船舶の安全確認(2)情報収集態勢の強化(3)国民への迅速な情報提供−と3つの指示を出し、首相官邸地下の危機管理センターに移動。官邸のエントランスで記者団の取材に応じ、国民に安心を訴えるメッセージを発する手はずだった。

 午前10時。朝鮮中央通信が「運搬ロケット『銀河2号』の打ち上げ準備が完了し、まもなく打ち上げる」と報じた。日本で「まもなく」と言えば1時間以内を指す。官邸は緊迫した空気に包まれた。

 午後零時16分、官邸1階の報道室がどよめいた。

 「北朝鮮のミサイルが発射されました!」

 吉牟田剛報道室長が声を上ずらせ、「先ほど北朝鮮から飛翔体が発射されたもようです。テレビ、ラジオ等の情報に注意してください。続報が入り次第お知らせします」と書かれたプレスリリースを詰めかけた記者に配布。各自治体にも緊急情報ネットワークシステム「Em−Net(エムネット)」で同様の文面が一斉送信された。

 首相も予定通り公邸を出て官邸に向かった。

 この直後だった。「誤探知でした!」。首相は秘書官の言葉に耳を疑ったが、いまさら公邸に引き返すわけにはいかない。首相は官邸エントランスに詰めかけた記者団とは目も合わせず、危機管理センターに入った。「あと1分連絡が遅ければ首相は誤報を元にカメラの前に立ち、世界中に赤っ恥をかくところだった」。政府高官はそう言って胸をなで下ろした。

 「発射」公表から全面撤回まで約5分。なぜこのような失態を演じることになってしまったのか。

このニュースの写真

首相官邸周辺を早朝散歩する、麻生太郎首相=4日午前9時5分、東京都千代田区
北朝鮮のミサイル発射時間帯が過ぎ、首相官邸を出る麻生首相=4日午後4時35分
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