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産後の母子支援支援強化、健診にも助成/鎌倉市
- 子育て・教育
- 2009/04/04
全国的にも珍しい医師会立の産科診療所が二月に開院したことを契機に、鎌倉市は二〇〇九年度から出産後の母子支援も強化に乗り出した。妊婦健診への費用助成の回数を十四回に倍増した上で、県内の市町村では初めて産後の一カ月健診にも助成する。産科診療所を拠点にした母親のケア事業にも取り組み、お産環境を充実させる。
出産後間もない時期の女性は情緒不安定になることがある。マタニティーブルー(産後うつ)と呼ばれ、通常は一過性のもの。ただ、慣れない育児に疲れたり、家にこもりがちな生活で孤独感を募らせたりして、育児ノイローゼに移行することもあるとされる。
このため、同市は、産後間もない時期のケアを充実させ、その後の子育てにスムーズに移ってもらうことを目指す。
妊婦健診について、厚生労働省は二〇〇七年一月、「回数は十四回程度で公費負担が望ましい」とする通達を出した。市によると、これに合わせ県内では全市町村が〇九年度内に、助成回数を十四回以上に引き上げる方針を打ち出した。
鎌倉市でも、従来七回だった助成回数を倍増。さらに産後の母子の一カ月健診も対象に含めた。初回は一万円、二回目以降は一律四千円を助成。関係費用として〇九年度予算に約八千八百万円を計上した。
また、産科診療所内に母親が気軽に訪問できるサロン的な広場を設置する。出産直後から小児健診の始まる四カ月まで、母親同士の交流や相談の場がないのが現状で、この空白期間を埋めることを狙った。
広場では心理的なケアを主に行い、助産師らによる相談業務や情報交換はもちろん、アロマセラピーや産後エクササイズの講習も検討されている。市では「自主的なサークル活動へとつなげていくきっかけにしてもらえれば」としている。
市内在住で夏に第二子を出産予定の女性(37)は「初産は勝手が分からず不安だったので、相談の場
は助かる。他の人も同じ悩みを抱えていると分かるだけで、『わたしだけじゃなかった』と安心できる。産後健診の助成も、受診率アップにつながるのでは」と取り組みを歓迎している。
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