PAC3の発射機を配備 岩手2基、秋田3基

陸上自衛隊岩手山中演習場に配備されたPAC3の発射機=31日午後3時ごろ、岩手県滝沢村
 北朝鮮が「人工衛星」として発射準備を進める長距離弾道ミサイルの落下に備え、岩手、秋田両県に展開する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の部隊が31日、両県の陸上自衛隊演習場に、ミサイル発射機などの配備をほぼ終え、報道陣に公開した。部隊は今後、関連機器の作動状況を確認し、北朝鮮が通告している4月4―8日のミサイル発射に備える。

 発射機は岩手山中演習場(岩手県滝沢村、八幡平市)に2基、新屋演習場(秋田市)に3基が配備された。

 岩手山中演習場では、2基が約100メートルの間隔で置かれた。ミサイル飛来が予想される北西の上空に向けて発射機を構え、後方数百メートルの場所にはミサイルの軌道を追うレーダー、アンテナ通信機器なども設置された。

 空自幹部は、既に2基の発射機に計8発のミサイルを搭載したことを明かし、「海上自衛隊などとのシステム通信網がつながれば、発射準備は整う」と述べた。

 新屋演習場では、日本海を望める小高い丘の上などに発射機が設置され、発射口はいずれも日本海の方に向けられた。
 PAC3配備に対する地元住民の受け止め方はさまざまだ。

 滝沢村の岩手駐屯地近くの無職八丁野イクさん(75)「弾道ミサイルは落ちてこないと思っている。4月4日以降もふだん通り過ごすつもりだ」と冷静に受け止める。秋田駐屯地近くの地元町内会長の野中利雄さん(67)も「まるで秋田県沖が標的のように報道されているが、戦争が始まるわけでもない」と語った。

 緊張感を高めるのは、秋田県漁業協同組合の斎藤豊専務理事。「不安で仕方がない。すべて終わるまで安心できない」と強調した。

 滝沢村の無職角掛要作さん(84)は「北朝鮮のいつもの脅しとは思うが、許し難い。兵役経験のある身としては、再び日本が軍事力増強の方向に向かうのではないかと心配だ」と話した。
2009年04月01日水曜日

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