住宅メーカーの商品検索とカタログ請求。坪単価や建築工法で一戸建て注文住宅を検索。住宅展示場ガイドも掲載。

日経住宅サーチ ‐ 住宅情報の総合サイト

TOP マンション 一戸建て 買う 一戸建て 建てる 不動産投資 リゾート 賃貸 リフォーム 知る・学ぶ Living Style

住まいのQ&A

「住まいのQ&A」は住まいについてのご質問をお受けし、無料でお答えします。

資金

Question

「私名義の預金と住宅ローンで土地・建物を購入する場合、妻に持ち分を与えることはできませんか?」 (神奈川県 会社員 男性 35歳)


 私名義の住宅ローンを組んで、土地・建物を購入しようと考えています。頭金としては、私名義の預金口座から2000万円を用意する予定です。ただし、これは結婚後に共働きの妻と2人でためた預金です(妻の収入から生活費を出し、私の収入から預金した)。これを頭金に当てるとなると、土地・建物の持ち分はすべて私にせざるを得ないのでしょうか。妻にも持ち分を分ける方法はありませんか。

Answer

「どのような形でためたお金でも、夫名義の預金は夫のものと判断されるのが基本ですので、夫名義の預金を頭金にして、住宅ローンも夫が組む場合、持ち分はすべて夫になります。そこに妻の持ち分を入れてしまうと、夫から妻へ持ち分が贈与されたとみなされるのが通常です」(ファイナンシャル・プランナー/菱田雅生)


 夫婦共働きで、妻の収入を生活費に充て、夫の収入を貯蓄していったとのことですが、たまっているお金は誰のお金かといえば、夫名義の預金なので、夫のお金ということになるのが基本です。

 これは事実認定の問題なので非常に難しいところですが、日々の生活費について、「毎月、妻のお金を夫が借りている」ということを証明できるなら(または、借用証書などがあるなら)、夫名義の預金から妻に借りていた生活費の返済をすることで、妻名義の預金を作ることも可能でしょう。

 しかし、おそらく借用証書などはないと思いますので、やはり原則としては夫名義の預金は夫のものと判断されてしまう可能性が高いです。とりあえずは、最寄りの税務署に相談してみてください。

 なお、妻にも持ち分を分ける方法としては、ほかにいくつかの方法があります。

 まず、妻も住宅ローンを組むという方法。妻にもそれなりの収入があり、将来にわたって安定的な収入が期待できるなら、返済可能な金額だけローンを組めば、当然ながら、その分に相当する持ち分を設定することができます。

 それから、夫名義の預金から妻に贈与する方法。年間110万円までなら贈与税の基礎控除があるので、贈与税はかかりませんし、仮に500万円を贈与したとしても、53万円の贈与税を納める必要はありますが、残りの447万円は妻名義にすることができます。ちなみに、1000万円を贈与すると、贈与税は231万円になります。

 また、贈与については、婚姻期間20年を経過した夫婦であれば、居住用不動産(いわゆるマイホーム)の配偶者控除を利用することができます。マイホーム自体やマイホームを買うためのお金なら、2000万円まで(その年の基礎控除を合わせれば2110万円まで)贈与税が非課税になります。

 この制度を利用すれば、将来、結婚20年の記念に、夫から妻へマイホームの2110万円分に相当する持ち分を贈与しても、贈与税はかかりません。今すぐ贈与税を納めて贈与するのも一つの方法ですが、将来贈与するというのも検討に値すると思われます。

 このような代替案も含めて、最寄りの税務署に問い合わせされることをお勧めします。
[ 2008年12月24日 ]

回答者ファイナンシャル・プランナー菱田 雅生

ファイナンシャル・プランナー。証券会社、独立系FP会社を経て独立。資産運用や住宅ローンなどを中心テーマに相談業務や原稿執筆、セミナー講師等に従事している。


(注)NIKKEI NET住宅サーチの「住まいのQ&A」での回答は、あくまでも1つの参考意見です。ご自身の責任でご判断下さい。


●連載バックナンバー


「住まいのQ&A」は皆さまからのご質問を募集します。

  • ご質問のうち、多くの読者の参考になると思われるものを採用し、NIKKEI NET住宅サーチが依頼した専門家が、毎週1件の質問についてウェブ上でお答えします。
  • 質問をいただいてから回答を作成するまでに、3、4カ月程度の時間がかかります。
  • 質問の採否や掲載について、ご連絡はいたしません。ご了承ください。
  • ウェブ上では、質問者の実名は公開せず、お預かりした要望を個人が識別不可能な形で公表できるものとします。
  • お預かりした個人情報は、質問内容の確認などのため、お申し込みいただいた日から最大180日間保管させていただきます。

ご注意

  • 回答について
    1. 万一、相談者が「住まいのQ&A」での回答によって不都合、不利益をこうむっても、住宅サーチならびに回答者は一切責任を負いません。あくまでも1つの参考意見ですので、ご自身の責任でご判断下さい。
  • 文章の手直し
    1. 掲載に際しては、文章に手を入れさせていただく場合があります。
  • 著作権、二次使用
    1. 「住まいのQ&A」に掲載した質問文、回答文を含む文章の著作権は、日本経済新聞デジタルメディアに所属するものといたします。
    2. 「住まいのQ&A」に掲載した内容を二次使用する場合があります。
質問はこちらから