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西松建設献金事件:東北の大型工事狙い 小沢氏の力期待--幹部供述

 小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、準大手ゼネコン「西松建設」の前社長、国沢幹雄容疑者(70)ら複数の幹部が「献金には大型ダムなど東北地方の公共工事を受注する目的もあった」と供述していることが、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、十数年前から小沢氏側に提供されてきた毎年2500万円前後の献金の目的について解明を進めている模様だ。

 同社関係者らによると、国沢容疑者らが献金の成果と受け止めた事業の一つが、06年3月に国土交通省東北地方整備局が発注した胆沢(いさわ)ダム(岩手県)の関連施設工事で、西松建設を含む3社の共同企業体(JV)が約100億円で受注した。13年に完成予定で、岩石や土砂を積み上げて建設するロックフィルダムとしては日本最大級。

 別の同社関係者や国会議員のベテラン秘書によると、小沢代表は「東北・北関東では王様」と呼ばれるほど建設業界に影響力を持っており、国沢容疑者らはそれに期待していたとみられる。西松建設が東北で受注した公共工事は、岩手県が発注した過去10年分に限っても、契約額は約90億円(いずれもJVで受注)に上っている。

 一方、毎日新聞の取材に応じた西松建設元役員の一人は、胆沢ダム関連工事について「献金のおかげではなく、業者間の調整で落とした。『金を使ってでも工事を取る』という発想は、(国沢容疑者のような)事務屋のもの。民間同士の協議に政治家への金が絡むとおかしくなる」と献金の効果を否定しており、国沢容疑者らとの認識のずれも浮かび上がっている。

    ◇

 西松建設が海外で捻出(ねんしゅつ)した裏金を違法に国内に持ち込んだとして、外為法違反で起訴された同社元海外担当副社長、藤巻恵次被告(68)について、東京地裁は6日、保釈を認め、保釈された。保釈保証金は1000万円。

毎日新聞 2009年3月7日 東京朝刊

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