【滋賀】江戸後期の「産育全書」版木が里帰り 京都・正行院から近江八幡市に寄贈2009年4月3日
江戸後期の産科医で近江八幡市出身の水原三折(さんせつ)(1782−1864年)が著した専門書「産育全書」の版木が、三折の墓がある浄土宗正行(しょうぎょう)院(京都市下京区)から近江八幡市に寄贈された。 三折は京都や長崎で医術を学んだ。難産の際、母胎を傷つけずに胎児を取り出す器具「探頷(たんがん)三器」の開発者として知られ、外国の産科医からも称賛された。 産育全書は1850(嘉永3)年に出版された。妊娠の診断、出産法、投薬など幅広く記され、当時では最高レベルの産科専門書と評価された。 寄贈された版木は計111枚。標準的な大きさは縦18センチ、幅72センチ、厚さ1・5センチ。一部は抜け落ちているが、イラストを交えた解説や故郷で医療に携わっていた様子の記述もある。 正行院によると、三折の縁者から40年ほど前に寄贈され、本堂で保管していた。須賀賢道住職(80)は「寺で持っているより、郷土史料として多くの方に見てもらった方がよい」と考え、3月下旬に市へ寄贈した。 市立資料館は2010年度に女性をテーマにした企画展を計画しており、その際に公開する予定。 (松瀬晴行)
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