●時事通信の配信記事 時事通信は1日22時8分、「検察に負けられぬ=小沢氏」という見出しで次の記事を配信した。
「民主党の小沢一郎代表は1日夜、都内の中華料理店で、鳩山由紀夫幹事長ら正副幹事長と会食した。出席者によると、小沢氏は、西松建設の違法献金事件で公設秘書が起訴されたことに関し「ご迷惑を掛けました」とわびた上で、「検察には負けていられない。政権交代を目指して頑張っていこう。皆が結束してくれていることを感謝している」などと語った。
●産経新聞3月20日配信記事 小沢氏は西松建設の違法献金事件で秘書が起訴される5日前の19日夜、鳩山由紀夫幹事長と都内の日本料理店で会談し、事件について、「検察の対応はあまりにもひどい。自分の身がどうなろうと構わないが、戦うことはあきらめない。検察が(24日に)どういう判断をしようと、徹底して戦う」と述べ、東京地検が起訴に踏み切った場合でも、公判を通し、無罪を主張していく考えを示した。
そのうえで、「政権交代をして検察権力の乱用を一掃しなければならない」と、次期衆院選後、政権を獲得すれば、東京地検のあり方を見直すと強調した。」(産経3月20日7時58分配信)
●本誌編集長が斬る「検察の対応はあまりにもひどい。」「政権交代をして検察権力の乱用を一掃しなければならない」とはどういう意味か?私は報道されている記事から判断して「特捜部の(小沢氏の秘書)に対する対応があまりにひどい」とは思わないし、「政権交代して検察権力の乱用を一掃しなければならない」とも思わない。
小沢氏は「(秘書は)献金をうけた事実はそのまま報告しているし、献金の相手方をそのまま記載するのが(政治資金)規正法の趣旨だと理解しており、その認識の差が今日の起訴ということになったのだと思う。過去、この種の問題で逮捕、起訴という事例は記憶にない。そういう意味で規正法の趣旨からいっても合点がいかない。」と説明している。
小沢氏の言う「(政治資金規正法の)認識の差が今日の起訴ということになったのだと思う。過去、この種の問題で逮捕、起訴という事例は記憶にない。そういう意味で規正法の趣旨からいっても合点がいかない。」が、どうして「政権交代して検察権力の乱用を一掃しなければならない」になるのか、それこそ合点がいかない。
検察は(小沢氏の秘書)を逮捕・起訴したのは捜査権、公訴権を持つ機関としてやるべき正当な権利行使であって、一掃しなければならない権力の乱用ではない。権力の乱用と捉えるのはいいがかり、こじつけにすぎない。小沢氏の秘書は起訴されるのが正義、それを権力の乱用と捉えるのは不正義である。
ましていわんや『検察に負けていられない』と法廷外で何度も主張されるに及んでは、何をかいわんやで、刑事裁判のルールに反し、検察に対する挑発としか考えられない。