論者の党派性に言及すること
自然科学に関する議論をするのならともかく、社会に関する議論をするにあたって論者の党派性を一つの考慮要素にすることは、「属人論法」として批判されることではなく、むしろその論点について関連する党派性を有しているのにこれを敢えて隠そうとすることの方が非難されるべきことだと思ったりはします(もちろん、守秘義務等との関係で自らの党派性を公言できない場合はあると思いますが。)。
だからこそ、討論会やシンポジウムでは、論者の経歴やポジションをまず明らかにしてその党派性を明示するのが通常だし、書籍を発行したり、雑誌に寄稿したりすれば、そのプロフィールを紹介することで、論者の党派性を明示するのが通常です。
これは、日本に特有の現象ではなく、欧米なんかでも普通に行われている話です。一部の人は誤解されているようですが、「実名主義」者は、この党派性が明示され、それが読者によりその議論をどのように受け取るかを決定する上での重要な要素となることを、基本的に肯定します。「ネット上の議論であれば、論者は、その現実のポジションや党派的な利害を度外視して、純粋な議論を行うものだ」と信ずるほど、「実名主義」者はナイーブではないからです。
もちろん、そのために秘匿されているプライバシー情報を暴くというのは如何なものかとは思いますが、公開されている情報から看取できる党派性をその論点との関係で明示することまでとやかく言われてもなあ、という感じはしてしまいます。
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