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国交省想定:室戸台風級が東京に…1.6万ヘクタール浸水

 国土交通省は2日、室戸台風級の超大型台風が東京湾を直撃した場合、高潮で千葉県袖ケ浦市から神奈川県横須賀市にかけての地域で1万6628ヘクタールが浸水するとの想定結果を公表した。地球温暖化で海面上昇が進んだ最悪のケースでは、浸水面積は2万7630ヘクタールに拡大する。国交省は今後、被災者数や浸水家屋数など具体的な被害推計をまとめ、中央防災会議の専門調査会に報告する。

 想定対象は、3000人超の死者・行方不明者を出した室戸台風(1934年)と、同5000人超の伊勢湾台風(59年)クラスの台風。現在の東京湾の満潮時と、温暖化で海面が60センチ上昇すると想定される21世紀末について、事前に大地震で堤防や水門が破損したなどの条件も加え、計6パターンを予測した。

 それによると、現在でも伊勢湾台風級の台風によって8588ヘクタールが浸水し、地震で堤防などが壊れていれば1万3579ヘクタールに広がる。より強い室戸台風級だと、水門を閉じても1万6628ヘクタールが、温暖化で水位が上昇していれば2万4619ヘクタールが水につかる。船やゴミによって水門が閉鎖できず、東京都江東区などの海抜ゼロメートル地帯で破堤するという最悪のケースでは、被害は2万7630ヘクタール。東京都江東区役所、千葉・船橋両市役所、JR横浜駅などが最大で2~5メートルの深さの水に浸かるという。

 東京湾岸1都2県の海抜ゼロメートル地帯には、約176万人が住んでいる。国交省によると、東京湾の堤防は総延長約191キロ。必要な地点にはほぼ整備されているが、うち70キロは耐震化が済んでいない。それ以外にも、老朽化で補修が必要な個所もあるという。【石原聖】

毎日新聞 2009年4月2日 23時31分

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