県立神石三和病院の町移管を受け、神石高原町立病院(神石高原町小畠)が1日、開院した。町内で唯一入院設備を持つ地域医療の拠点を維持するため、公設民営方式による地元自治体病院として再出発した。
町や議会関係者ら約70人が出席して開院式があり、牧野雄光町長が「指定管理者の社会医療法人・社団陽正会と連携、住民から愛され、信頼される病院を目指す」とあいさつ。テープカットとともに、正面玄関の銘板を除幕して門出を祝った。
同病院は従来通り、内科、外科など5診療科を持ち、整形外科のみ週1回の診療を隔週に変更。病床95(一般47、療養48)や人工透析設備は維持し、入退院時に患者・家族の相談に乗る「医療福祉相談室」を新設した。常勤医師は1人減の5人となるが、非常勤医師を増やして対応。看護師らを含めた職員総数は3人増の83人。
県は2008年度から6年間で総額13億2400万円の財政支援を行う。
県立神石三和病院は1948年に開設された。合併で患者の大半が地域住民となり、県は「広域医療を担う県立の役割が薄れている」として、05年3月策定の県病院事業経営計画で、県立瀬戸田病院(尾道市瀬戸田町中野)とともに地元移管方針を打ち出した。