March
25
2009
中小企業支援の名の下に、政府保証(信用保証協会保証)の資金が潤沢に供給されています。この問題も、後継者不足を助長するのではないか、最近そう思えてなりません。厳しい現実が、特に中小製造業を直撃していますが、この状況はおそらく2009年度いっぱいでは改善しないのではないかと思えるのです。いま、大企業が何をしているかといえば、これはもう国内生産から海外生産へ切り替えるということであるのは明白です。企業収益を改善させるためには、とにかくコストダウンしかない。販売量が急激に落ち込んでいる以上、製造コストを下げるしか道が無いわけです。そこで、国内生産から中国を中心とするアジア圏への生産シフトは恐らく2009年度後半から加速します。バブル崩壊以降も消費税不況も、そして国内版金融不況のときも、必ずそういうそういう現象が起きました。それは今回も例外ではないでしょうし、今後の為替を考慮すれば、国内販売は輸入が圧倒的に有利になるのですから、動かない大手製造業は恐らくないでしょう。そういうバックボーンが予想されていて、現在の中小企業の資金繰りを、今後もまわしていけるのかという点に大きな疑問があるわけです。まして現在の中小企業の経営者の年齢は相当に高齢化が進んでいます。恐らく今回の借入金の返済は数年間(最長7年!?)にわたって続くものです。仮に、後継者はそのことを十分に理解しないと、そしてその覚悟が無ければ、難しいのです。こと、製造業に関しては、今後「ゼロサム状況(経済が成長しない状況)」を前提とすべきときだと思います。
Posted by 有海啓介 | この記事のURL |