農環研、資料イネ使いバイオ燃料作り出す新手法開発 | |
農業環境技術研究所は、飼料イネなどからバイオエタノールを作り出す新製法「固体発酵法」を開発した。農地から刈り取ってきた飼料イネや食用イネのわらに酵素と微生物を加え、貯蔵しておくだけで糖化・発酵まで進み、バイオエタノールができる。既存の方法に比べ加熱処理などが不要のため、コストや労力が減らせ農村での普及が期待できる。 新製法は、酒や漬物の製造で用いられる醸造技術と牛の飼料貯蔵で使われるノウハウをベースに確立した。セルロースやでんぷんを分解する酵素や乳酸菌と酵母の共生関係を利用することで、腐敗させることなくバイオエタノールの生産が可能となった。実際に飼料用イネで試してみたところ、20日間の貯蔵・発酵により1トン当たり213リットルのバイオエタノールが得られた。 ただ、コストが1リットル当たり127円となり、目標値とされる100円を上回ってしまった。そこで、用いる酵素の量を10分の1に減らした結果、収量は1トン当たり129リットルに落ち込んだものの、コストは1リットル当たり26円にまで下げられた。 今後、農環研は他機関と連携し、製法の効率化を目指す考えだ。 資料:3/25 日刊工業新聞
(文責:編集部 立山、原田)(エコロジーシンフォニー2009年3/30) |