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世界が待ち望んだこの1冊! 『9.11疑惑国会追求』 
《お近くの書店でご注文ください 藤田幸久(参議院議員)他共著


悪魔の絵    

メディア・コントロールの実体と目的


                                       イズラエル・シャミール著 

(訳者より)

 2006年の1月末から2月初旬にかけて、欧州各国の新聞で相次いでイスラムの預言者モハメッドを侮辱する戯画が掲載された。これが多くのイスラム諸国で人々の激憤を促し、デンマークやノルウェーの大使館が襲撃されることとなった。その余波はイランでの「ホロコースト戯画コンクール」を産むに至ったのである。

(参照記事Url)

http://asyura2.com/0601/war78/msg/121.html

http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4681294.stm

http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=HKK&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006020701004200

 世界中の多くの人々がこれを「キリスト教とイスラム教の衝突」とみなし、キリスト教徒の無定見とイスラム教徒の単細胞ぶりを非難した。しかし事はそれほど単純なものではなかったのである。

 イスラエルの反体制活動家イズラエル・シャミールがこの戯画の裏に隠された悪魔の意図を明らかにする。それは世界から人間の自由を追放することなのだ。そしてその最大の武器が、ユダヤ資本に支配された世界のメディアなのである。イランはこの戯画の性格を正しく見抜いていたのであろう。

太文字強調部分は原文での強調に対応している。読者が調べることが可能なように、固有名詞にはできる限り原文の綴りを付記した。また[1][2]等は注釈の番号である。基本的にシャミール自身が付けたリンク先と注釈による。

(原文Url)
http://www.israelshamir.net/English/Satanic.htm

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統一され完璧にされたユダヤのメディア・マシーンはホロコーストの戯画を跳ねつけることなどよりももっと重要な仕事に使うことができる。その主要な目的は我々をブレイヴ・ニュー・ワールドに、魂の抜けた新たな全体主義に連れて行くことなのだ。この大きな作業に比べるとより小さな作業は副次的なものに過ぎない。



悪魔の絵



イズラエル・シャミール 著

西側世界はベイルートやその他の場所での大使館焼き討ちに不快の念を抱いた。「彼らイスラム教徒は我々のユーモアのセンスを理解しない。我々の自由に対する考え方を理解しない。」このように新聞が書きたてた。他の人々はあのデンマーク人の無定見な悪ふざけを非難しつつも、イスラム教徒の反応は大げさに過ぎると考えた。しかしながら、この煽り立ては決して偶然に起こったものではなかったのだ。

米国の辣腕ジャーナリストであるクリストファー・ボリン(Christopher Bollyn)が、このデンマークの悪魔の絵とその周旋者であるフレミング・ロウズ(Flemming Rose)という人物を調査した[1]。そしてこのロウズが無邪気な言論の自由の愛好者などではなく、あるいはまた、Nun-with-the-Great Daneに続いてこのイスラム預言者の作品を披露し続ける[2]宗教的意味合いを含む猥雑な絵画の収集家である風変わりなスカンジナビア人、というわけでもなかったことを発見した。ボリンは書いた。ロウズはシオニスト・ネオコン・カルトの信奉者であり、この思想の法王ダニエル・パイプス[3]Daniel Pipes)の巡礼者である、と。

ここまではまだ良いだろう。しかしこの忌まわしいロウズは4ヶ月も前にこの絵を売りつけた。この雑誌が計算するように、それはずいぶんと長い時間である。ムスリムたちは彼の努力に気付くことすらなかった。おそらくはジランド・ペステン(Jylland Pesten)という雑誌を読む者はそんなに多くないのだろう。まるで十分に準備した悪ふざけを失敗したいたずら好きな子供がその仕業を繰り返すように、7カ国の11の新聞が同時並行的にこの絵を公表したのである。手の内が見えた。様々な国の様々な新聞の背後に、我々は国境を越える国際的なプレーヤーである『敵』の姿を、そのあからさまな正体を、見ることができたのだ。それは圧倒的なショーであった。そして今、我々は知っている。一つの意思が、一つのデザインが、世界的メディア帝国を支配していることを。


誰が仕組んだのか?

誰がその敵なのか。誰がメディアをこれほどの規模でントロールできるのか。インド国民主義者の重要なジャーナリストであるサンディヤ・ジャイン(Sandhya Jain)は書いた。『この戯画は政治的なキリスト教徒による国際的な宗教的な侮辱の行為であり、彼らはヨーロッパとアメリカの社会的・経済的・政治的エリートから成り立っている。』このようにキリスト教徒が世界の多くの批評家によって犯人とされた。しかし、明らかにしておかねばならない。イスラム教徒を攻撃したのと同じ者たちが、信心深いキリスト教徒を攻撃するのに躊躇しないのである。これは映画アーメン[4]Amen)のポスターにある鍵十字に変わる十字架や、ブルックリン[ニューヨークの極めてユダヤ的な地区]美術館にある小便のグラスの中に漬けた十字架像の写真[5](これはタルムードに対する証なのか?)を思い出すだけで十分だろう。イスラム教徒とキリスト教徒の間に敵対は無い。次のように述べたアーマド・アムル[6]Ahmed Amr)は正しかった。

『ヨーロッパの「言論の自由の宣伝」によるイスラムとモハメッドに対する侮辱的な戯画は、イスラム教徒を明らかに不利な立場に置いた。彼らはイエス・キリストをちょうどモハメッドをあがめるのと同様に敬愛し彼を神の預言者と考えているので、キリストをけなすことによって仕返しをすることは到底出来ない。イエスあるいは聖母マリアを汚すことはモハメッドを汚すのと同様の冒涜と見なされるのである。彼らは同様に無原罪の宿りを信じているから、イスラム教徒がキリストの母を風刺するなどというのは大間違いである。イスラムの伝統ではマリアは天国に入る最初の女性であろう。そしてコーランと同様に、イスラム教徒は聖書もトーラーも聖なる書物と認めているのだ。』

こうして我々はキリスト教徒の嫌疑を晴らし他の所を見なければならないのだ。

西側世界のメディアは親ユダヤの独占的領域である。あなた方はこれに、次のような諸点についての彼らの広範囲で異様な採り上げ方で気付いたかもしれない。シャロンの他界について、パレスチナ人の死を軽視する一方でのユダヤ人たちの死について、ホロコーストについて、ユダヤ人に対する攻撃の有ること無いことについて[7]。ユダヤ人たちは反イスラム感情を促進させることに既得の利権を持っている。それがパレスチナ人たちを従わせイランを処理する彼らの計画に即しているからだ。(イラン人たちは即座にそれを理解し、反ユダヤのホロコースト戯画に向かった。同様に下品であるが、理解できる仕返しである。)実際にたった今、非シオニストである世界ユダヤ人会議は公式にイランに対するキャンペーンを開始した。ハアレツがそれを報道している[8]AIPACは「今こそイランを止めるときだ」と銘打つワシントン会議を計画している。カート・ニンモ(Kurt Nimmo)はあの戯画を「イスラム教徒を怒らせ扇動するために、そしてシュトラウス主義ネオコンによって操られた『文明の衝突』でっち上げに対するヨーロッパとアメリカでの支持を作り出すためにデザインされた、意図的な挑発である」と正確に語った[9]。文明の衝突は、あの悪魔の絵同様に、ユダヤ組織の中東戦略にうまく対応するものである。

悪魔の絵にユダヤが絡んでいる明白な印は多くの新聞の見出しに見ることができた。すべてのイスラム諸国が怒ったにも関わらず、ユダヤがコントロールする新聞は「ヨーロッパ人に対するパレスチナ人の攻撃」を強調した。ちょうど2001年に彼らが「WTC崩壊を歓喜するパレスチナ人」を強調したのと同様である。世界中の多くの人々があの傲慢と金力のシンボルを破壊した攻撃を喜んでいたのだが。イスラエルの日刊紙ハアレツは、イスラムの新聞がシャロンとラビたちを侮辱する視点を明らかにするのだから、同じ方法でやり返せ、と書いたのである。このことがあの戯画の出版の背後に親ユダヤ勢力がいたことを認知させるのだ。

しかし我々の同僚はこの行動の背後にある大きな計画に気付かなかった。この戯画がイスラム教徒との戦いの計画に沿っている以上に、それらは現在世界規模で行われている自由に対する巨大な攻撃にぴったりと当てはまる。米国からロシアまで、英国からイタリアまで、我々の御主人様は、そらのコントロールを強化させ自由の痕跡を消し去るために法の網を広げている。1968年に我々は“Interdit d'interdire”、すなわち「これは禁止のための禁止だ」と声をあげた。しかし我々は今、新しい多くの禁止事項にがんじがらめにされている。我々は、タバコを吸うかどうか、シートベルトを締めるか気楽に乗るのかの選択を許されない。これらの小さい面倒な禁止事項はビッグ・ブラザーへの服従の印である。そしてそれが私の利益にかなうことだなどと言ってはならない。私は私の良い人生のためならもっと緊急な事柄を百でも挙げることができる。まず借金状態を禁止させよ。もし私にローンを背負う自由があるというのなら、私にはシートベルトを締めるか外すかを選ぶ自由があるべきである。

我々の自由は激しく押し縮められている。それは紙の上には存在するが、我々はそれを行使してはならない。我々は暮らし向きが悪くなるようなことは望まないのだがと言ってはならない。実に多くの教師と教授が軽率な一言のために職を失ったのである。「民主的な」ドイツで共産主義者は教職に就くことが出来なかった。我々は自分が望む人物に投票してはならない。オーストリア人たちがハイダーを選んだときに彼らは諦めることに合意するまで攻撃を受けた。いまパレスチナ人たちがハマスを選んだ。そして彼らは、考え直さない限り自分が払った税金を受け取ることが出来ないと告げられている。(同様の文脈で、聖書は7年ごとに借金棒引きの権利を与えているが、タルムードは債務者を縛り上げて彼が無効となった借金をも支払うと約束するまで殴ることを債権者に許す。)モンタナの片田舎の人々が銃を求め、ダブリンのパブの中でタバコを求め、あなたがシートベルトを求め、我々全員が自由な投票を求めるようなときにはいつでも、マスメディアの巨大な世論製造マシーンが禁止を強要した。時には、あの悪魔の絵の一件にあるように、それは意図的な挑発に止まることはない。その狙いをはっきりさせるためだ。そして我々は自分の言いたいことを言う事が許されていないのだ。

このメディア・マシーンによるユダヤ主義への献身を見ると、我々はそれが石油資本によって行われるのではないことが分かる。そのかわりに、ユダヤ人とその親ユダヤの支持者たちが彼らのメディア帝国をもう一つ別の目的で築き上げた、と推定しよう。(この推定は後で触れることにするが。)もしあなたが(非常に多くの善良な人たちと同様に)ユダヤ人への嫌疑を晴らす緊急の必要性を感じているのなら、ユダヤ人は反ユダヤ主義と戦うためだけにメディアへの投資を組織的に行ったのだが、邪悪な拝金主義者たちが世界の独裁権を確立する必要性からその仕組みを利用したのだ、と考えてもよいだろう。ユダヤ人のことをあの魔法の指輪を作って後にそれを拝金主義者に取り上げられた小人たち[10]であるかのように考えてもよい。拝金主義者たちはユダヤ人を自分たちの側につけて人々と戦わせ続けるために反ユダヤ主義とホロコーストの話を推奨した。彼らはユダヤ人たちに、普通の人たちはユダヤ人を滅ぼしたがっており支配的な拝金主義者だけがそれを防ぐことが出来る、と信じ込ませている。実際に、私がThe Third Dove[11]の中で書いたように、反ユダヤ主義など無い。魔女もいなければサンタクロースだっていないのである。

メディア・マシーンは同盟者を呼び集めることに長けている。同じ手を、つまり恐怖のプロパガンダを使ってユダヤ人たちが招集される。彼らが「ホモ嫌い」を発明したので、同性愛者は通常の人々を恐れビッグ・ブラザーの保護を求めるだろう。彼らが「男性優越主義」と「殴られる妻たち」を発明したので、女性たちは連れ合いの男を恐れて支配者の保護を求めるだろう。彼らが「人種主義」を発明したので、少数民族はみなビッグ・ブラザーの守護の下に隠れるかもしれない。彼らが「甘やかされた子供」の伝説を作り上げたので、妻たちは夫を信用しなくなるだろう。これらはみな伝説である。「男性優越主義」など存在しない。我々は実際に、あなたが馬を恐れさせるようなことでもない限り、あなたが寝室で行うことに呪いをぶつけることはないだろう。男たちは自然に子供たちにとって保護者であり女性に対しては騎士なのだ。白人たちは、一晩中続くので無い限り、黒人たちが陽気で彼らのバンジョーを弾くことを好む。私はあなたに言おう。我々は全員が少数派なのだ。そしてお互いに、我々は人民なのだ。我々はビッグ・ブラザーのお世話にならなくても非常にうまくやっていける。

外国にも恐ろしいものは何も無い。私の若いころアメリカ人はドミノ理論に怯えさせられていた。彼らは次のように書きたてた。共産主義者がベトナムとカンボジアを取った後で彼らはカリフォルニアに侵攻するだろう、と。結局何も無かった。共産主義への恐れは世界中の国内総生産にあたる3兆ドルを無にし結局は偉大な社会的遺産を破壊した。勝ち誇ったネズミどもは殺されたライオンを裁く。ポーランドとバルト海諸国が音頭をとり欧州評議会議員総会(PACE)が「共産主義の恐怖と犯罪」を非難したのである[12]。いまやそのメディア・マシーンはイスラムの脅威を煽り立てている。イスラムは挑発されその反応が邪悪さの証明として展示された。

巨大な恐怖創造マシーンは、中東やちっぽけなユダヤ人のことなどでは決して止まることはない。戦車をクルミ割に使うことは可能だが、それはもっと大きな機能を持っている。統一され完璧にされたユダヤのメディア・マシーンは、ホロコーストの戯画を跳ねつけることなどよりも、もっと重要な仕事に使うことができるのだ。その主要な目的は我々をブレイヴ・ニュー・ワールド[13]に、魂の抜けた新たな全体主義に連れて行くことである。この大きな作業に比べるとより小さな作業は副次的なものに過ぎない。

先月[14]、重要だが外見的には関連性の無いいくつかの展開がおこった。英国首相トニー・ブレアーは国民の完全監視に向けた一歩を踏んだ。英国は自動車交通のデータを集め保存する新たなコンピューター・システムを導入した。あらゆる場所にあるヴィデオ・カメラを連結して、ビッグ・ブラザーはこのシステムを使って、あなたの仕事場からガールフレンドのところまで、そしてあなたの家に行き着くまで、あなたの行動を追跡することができるのである。これは問題なく議会を通過した。次に英国はインターネット・テロ法案を通そうとした。これは警察に「テロを促進する」ウエッブサイトを閉鎖する権力を与えるものであった。そして上院がこれを阻止した。先月、英国上院はテロリズム「賛美」取締法案の新たな攻撃計画を破棄した。また上院の貴族たちが「テロ宣伝」の「意図的な」あるいは「不注意な」流布に対する法の政府案見直しに投票したときに、英国政府は再び敗れ去った。そしてなかんずく、上院はユダヤ批判を封じ込めるためだけであると思われる反「宗教的嫌悪」法案を拒否したのである。

そのすぐ後で、あの敵が悪魔の絵をばら撒いたのだ。予想可能かつ予想通りのイスラム教徒たちによる反応は、議会に新たな反「宗教的嫌悪」法案のセットを強要するだろう。これらの法案は決してイスラム教徒やキリスト教徒の感情を守るものではない。彼らは要するにたった数十億人の人類に抱合されるに過ぎないのである。拝金主義者たちのお気に入りのマスコットであるユダヤ人たちは、より良く保護される(そしてより攻撃を受けやすくなる)と感じることだろうが、もっと重要なことには、言論の自由が新たな打撃を受けることになるだろう。

この偉大な自由は東側のソヴィエトに対する西側の優位さであった。ソヴィエト政権のあまり評判の良くない特徴がその悪名高い「反ソヴィエト・プロパガンダ」禁止法第58条だったからである。スターリン時代の初期には、共和国の敵に対する共感を表現した者は必ず処罰された。彼の絶頂期には冗談も刑に値した。ブレジネフ時代には社会の中での体制順応を確保させるために利用された。ソヴィエトの時代の終盤でさえも58条のダモクレスの剣はあらゆる議論に影響を及ぼし、結果としてゴルバチョフに議論抜きでロシアの変革を実行させること許した。彼はソヴィエト時代の社会的な成果を根こそぎにし、ロシアの産業と石油を少数のユダヤの詐欺師に明け渡し、ロシアの権力の鍵をCIAに譲り、国土を反目しあう国家群へと分割した。ゴルバチョフとエリツィンによる変革の唯一の肯定的な特徴は58条を取り除いたことだった。それが今、再び忍び寄りつつある。

しばらく以前に偽装爆弾を使った反ユダヤ掲示板がモスクワに現れた[15]。通行人がそれを外そうとしたときに爆破装置が働いたのである。政府は大慌てで「反人種的嫌悪」法案を議会で通した。そして見るが良い。反ユダヤ掲示板はもう二度と現れなかったのである。1ヶ月前にモスクワのシナゴーグで極めて胡散臭い事件が起こり[16]、ロシア議会に強引な「反過激主義」法案が提出されようとしている。

このようにして、過激主義、テロリズム、人種的嫌悪と闘うという偽装の下に、我々の惑星にある自由の残りが日に日に萎縮していく。「ケネディのハンチントン(Huntington)」であるユージーン・ロストウ(Eugene Rostow)は1960年代に、共産主義と資本主義という二つのシステムは次第に一致していき、両システムの最高の特徴を産みだすだろう、と予言した。今やその一致は実際に起こっている。かつて赤い東側は社会的に安全を保証されていたがそれは個人の自由を犠牲にしたものだった。西側は平等と社会的な保障を犠牲にして自由だった。今やそれらは一致した。ロシア人たちは教育と健康の自由を失い橋の下に寝る自由を手に入れている。一方で西側諸国は自らのグーラグ【注:ソヴィエト時代の強制収容所】と自らの反体制活動家を手に入れている。西も東も反人種的嫌悪、反テロ、反過激主義の法律の元に「第58条」を再設定したのである。

世界支配の大計画がその正体を現す。最初の段階で旧支配層と教会の権力が砕かれた。拝金主義者である敵は、民主主義と自由を旧秩序に対する武器として用い、左翼とリベラルはその支援を享受した。(再編され改造されたものではあるが)英国上院での反対票は古いシステムが多くの欠陥にも関わらず評価できる質をも持っていたことを証明する。今や敵は、恐怖と(反)人種主義を利用して、民主主義と自由に対して戦いを挑んでいる。

敵は、左翼と右翼の両方に内通し、主要なそしてオールタナティヴなメディアにおいて、そして世界的なスケールでの共同作業において優越している。英国を打ち倒したのに続いて、彼らはフランスを攻撃しそしてガザを挑発することができる。彼らはあなた方に嘆きと外国に対する恐怖という反応を引き起こすことができる。この仕組みに手をつけない限り、戦争と恐怖を避けることはできない。それらがその産物だからである。さらに、そのことがこの強力な拝金主義者たち――決してユダヤ人ではない――がこの仕組みを利用し支えている理由なのだ。この仕組みが恐怖を作り出し、そして彼らにその独裁の中で先導役を勤めさせるのだ。しかし、我々の子供たちを奴隷と主人の世界に住まわせたいと望まないのなら、我々は勝たねばならない。あなた方はイスラム教徒の感覚やユダヤ人の偏見を気にする必要は無い。気にするべきことはあなた方の自由が危機に陥っていることだ。我々の敵が世界的に活動しているため、我々は世界的にものを考えなければならない。我々は恐怖と不和を打ち破らなければならないのだ。それが敵の主要な武器だからである。


【脚注】

[1]参照Why the European Press is Provoking Muslimsby Christopher Bollyn

http://www.rumormillnews.com/cgi-bin/forum.cgi?read=84976

[2]この部分はシャミール独特の諧謔に富んだ表現となっている。Nun-with-the-Great Daneは直訳では「グレートデーン(大型の犬)と一体となった尼僧」で、そのような絵画が実際にあるわけではない。ウラジミール・ナボコフ著『ロリータ』の序文にある「犬と一体となった尼僧(a nun-with-a-dog)」を下敷きに、これらの漫画を載せたデンマーク人(Dane)とかけてGreat Daneとしたものである。「爆弾と一体となったモハメッド」がこれに続く、というわけだ。「単に宗教冒涜的な作品を好む北欧の変人ではなく、実は本人がネオコンと一体となっていた」ということである。

[3]参照:Daniel Pipes, the expert of hateVoltaire net.org

http://www.voltairenet.org/article136260.html

[4]2003年の映画で、第2次大戦中のナチスとカトリック教会の関係を描いた作品。

[5]米国の写真家Andres Serranoの作品で題名は”Piss Christ”

[6]米国籍のジャーナリスト。引用されている文章は2006年2月4日に発表されたWhy can't we all insult one another?”からのもの。次を参照のこと。

http://asiapacific.mediamonitors.net/content/view/full/26430

[7]これに関してはシャミール自身が次のような脚注をつけている。少々長いが非常に重要なものであり、翻訳して引用しよう。

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私の論文「ミダスの耳」の中で私は次のように書いた。『実際に、多くのメディアがユダヤ人によって所有されあるいはコントロールされている。・・・偶然の一致なのだろうか。そんなはずは無い。2004年にイスラエルの反ユダヤ主義研究所のユダヤ人歴史家シムチャ・エプスタイン(Simcha Epstein)はヘブライ大学で行われたサッソン会議でこういっている。

   《戦前の反ユダヤ主義は、フランスのユダヤ人が密かに新聞に資金を提供し転覆させるシンジケートを組織していると言った。そして当時ユダヤ人たちが言ったことはこうである。『もちろんそんなことは無い! それは嘘だ。当然違う! 我々は陰謀には加担していない!』そして歴史家とユダヤ史料編集者が後になってどのように言い出したか。『もちろんそんなことは無い! それは反ユダヤ的なたわごとだ!』しかし我々は今、第2次世界大戦の前にフランスのユダヤ人たちが秘密裏に新聞に資金提供をしていたことを、ユダヤの資料によって知っている。19世紀末以来、十分に資金を与えられたユダヤ人の秘密組織があって、それが複数の新聞を買い資金提供したのである。時には現存の新聞社の経営権を握った。その新聞社は急にドレフュス寄りになった。ユダヤ人から援助を受け取っていたからである。新たな新聞社が特にユダヤ人によって作られた。その二つは当時の極めて重要な新聞だった。その一つはLes Droits de l’Hommeつまり「人間の諸権利」とよばれたがユダヤ人によって資金を与えられた。またL’Humanitéは、フランスの社会主義そして後に共産主義の新聞となったが、同様にユダヤ人の資金で成り立っていた。私はもちろんこれを権威あるユダヤの資料に基づいて言っているのだ。そしてこのことが我々に歴史史料編纂上の深刻なジレンマをもたらしてしまう。これを言うこと、つまり私が述べたことを語ることは、ある種恐ろしい受け入れがたいものである。なぜならそれが、ユダヤ人が陰謀をめぐらして秘密裏にメディアをあるいはその一部を買い取っていた、ということを意味するからである。それはまさに当時の反ユダヤ主義者たちが言ったことであり、今日でも言い続けていることなのだ。そして今、我々はユダヤ側の資料からその主張が正しかったということを知っている。ユダヤの新聞社抱き込み活動の陰謀があったということなのである。》

 一部の人々は、ユダヤ人たちが共同して動くことが出来るという示唆をことごとく気違いじみた陰謀論として認識する。その人たちにこのユダヤ人の会議でユダヤ人歴史家によって為された報告を繰り返し読ませるといい。我々はもうあと50年間待たなければならないのだろうか。もう一人別のユダヤ人学者が自分たちの知っていることを我々の子供たちに明らかにしてくれるのを。つまり、あまりにも巨大で太陽の沈むことが無いユダヤのメディア帝国があるということを。

【注:最初の行にある『ミダス』はギリシャ神話に登場する王で触るものを金に変える力を持つ。金持ち、拝金主義者の意味でも使われる。またエプスタインが行った講演は次のUrlで(英語で)聞くことができる。上の訳文とは少し話の順が入れ替わっているが、内容は全く同じものである。】

http://www.israelshamir.net/MediaControl.mp3

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[8]参照:World Jewish Congress launches anti-Iran campaignHaaretz:02/10/06

http://www.haaretz.co.il/hasen/spages/681155.html

[9]参照:Flemming Rose and the Straussian Art of ProvocationAnother Day in the Empire:02/07/06

http://kurtnimmo.com/?p=211

[10]ワーグナーの楽劇「ニューベルングの指輪」に登場する小人族ニューベルングを指す。ラインの黄金から世界中の富と権力が手に入る魔法の指輪を作るが、それを最高神ウォータンに奪われる。

[11]参照:イズラエル・シャミールHPよりThe Third Dove”(04/09/2001)

http://www.israelshamir.net/English/Third_Dove.htm

[12]参照:Former Soviet Union Among Communist Regimes Condemned by PACEMosnews.com:01/26/06

http://www.mosnews.com/news/2006/01/26/pacecommunism.shtml

[13]オルダス・ハックスリーの未来小説(1932年)。超管理社会の中で人間が尊厳を見失う逆ユートピアを描いた作品。

[14]2006年1月を指す。

[15]参照:Euro-Asian Jewish Congress

http://www.eajc.org/program_art_e.php?id=12

[16]参照:News from Russia “Slaughter at Moscow Synagogue: six people stabbed”11/01/06

http://newsfromrussia.com/main/2006/01/11/71021.html


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