デジタル一眼レフで全編HD撮影する初の映画がついに誕生?
名乗りを上げたのは、アンドリュー・ディズニー(Andrew Disney)監督です。新作映画『Searching For Sonny』をデジタル一眼レフ5D Mark IIのHD撮影機能で完全収録したいと考えています。
と言ってもまだスクリーン再生しかなくて、目下サイトで製作支援の嘆願署名を集めてるところ(署名希望者はこちらから)ですけど、優秀なインディーは支援があってもなくても始まっちゃうもの。監督も早ければ夏にクランクインを予定しています。
以下が5D Mark Ⅱで撮ったトレーラー(一部)。
でも撮影に入る前にクルーは5D Mark IIが抱える、現場にとって最も煩わしい制限、つまり「収録中は露出設定をマニュアルで制御できない」、「撮影中は効率的フォーカスシステムがない」という問題をクリアしなくてはなりません。
最初の問題はニコンvs.キヤノンで対抗意識燃やす人には考えもよらないジーニアスな打開策で解決しました。つまりキヤノンEOS専用アダプターにニコンFマウントを買い、メカニカルな絞りのホイールがついた古めのニコン50mmレンズを使ったのです。これなら5Dの露出設定が充分な値でロックされていれば(ISOも充分低く抑えて)、カメラマンはただレンズをどれでも必要な値に自動的にストップダウンできますから(賢いですよね)。
フォーカスの問題はちょいと重労働です。上のトレーラーでご覧のショットも実はカメラをドリー(台車)にマウントしてプッシュイン&プッシュアウトで撮影したものがほとんどなんですけど、いくらなんても5Dに事実上非存在のオートフォーカスを埋め合わせる仕掛けにしては大げさだし、ヘン過ぎてカメラマンが手動で制御するにも限界ありますよね…。
そこで取り付けたのが、若干修正を加えたフォローフォーカス用ギアです。要するにレンズの焦点を合わせるホイール周辺に巨大なギア付きホイールを添付すれば、カメラマン以外の誰かも修正ができるというわけです。
ヴィンセント・ラフォレも、5D Mark II発売時みんなをアッと言わせたReverieのデモ動画を撮った際には、同じようなシステムを使っていますし。
解説のつづきは、撮影現場のスライドショーの後に。
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