【やる気の無い粗筋】

昔々或る所で、説明すると少々長くなりそうな経緯がありまして……
ピンクでパンクな謎の物体から男の仔が生まれました。
以下、鈴木――











桃雫狼(略称:桃)はスクスクと育ちました。
些かスクスクと育ち過ぎなのではないか? という感もありますが、
語られざる行間を読む事も読者の大切なプレジャーです。

その頃、少子化スパイラルな寒村は、ある深刻な事態にマジ直面していました。
不気味な島に棲みついた鬼達が、夜な夜な村で悪事を働くのです。
困っている村人達の背中を見て育った桃は、ある日突然こう言い放ちました。
「そんな鬼。僕が胎児してやりゅよ!」

そ〜なのです。桃は日本語が未だ残念なお仔なのです。
加えて諸事情により、ラ行の発音が苦手な運命をも背負って生まれて来たのでした。

其の桃のヤンチャ発言を真に受けた三爺はというと……
海千山千の恐ろしい鬼達を相手に素手で征かせるのも忍びないと思い、
一人一個のノルマを課し、合計三個のキビ団子をお腰に装備させたのでした。

キビ団子の《キビ》は、厳しいの《キビ》なのだと桃は思いましたが、
「160km/hで投げちゅければ、それなりの武器になる鴨?」と強かに思い直しました。
その辺が非常にモルディブ…もとい、ポジティブ・シンキングなお仔でした。

目的の鬼ヶ島へ渡る為には海へ出る必要がありましたが、
その海へ出る為には、何とも危険な或る山を越えねばならなかったのです。
其れは嘗て芝刈りに行った超爺が、速攻で引き返してきた或の魔の山だったのデス。

ところが、西進すること吉幾三…もとい、幾星霜。
桃は鬼にも遭遇しないまま、実は小1時間で山の麓まで辿りついていたのでした。
とはいえ、やはり育ち盛りのお仔です。「グ〜ぅ♪」 何だか小腹が空いて力が出ません。

「キビ団子は武器としてでは泣く、食糧として活用すりゅのが宵のではっ!?」
――と桃が閃いた刹那、
デン★ジャラスッ! 突然背後から忍び寄るモンスターの影がッ!?

今だッ。桃よッ。投げつけろッ♪

桃はッ。キビ団子をッ。大きく振りかぶってッ……ん投げたッ!

――串に刺さらなかった三兄弟の長男は、螺旋を描きながら、夜空を凍らせたッ!
…ら面白いのですが、まだバリバリ昼間でした。即ち…バリ昼である。

残念ながら其の黄色い弾丸は明後日の方向へと飛んでいったのですが、
ターゲット自らが驚きのインパルスで自ら弾丸の方へと飛び込んだので命中しました。
しゅばん☆しゅばばん☆しゅばばば〜ん☆

「ほほひほまんは…ゴックン…在ったようだワンッ!」
何と銀色の犬が氣媚弾を喰らいました……
というか、元々は食糧なので寧ろジャスティスというか、
武器として使用する方が間違っていたのではないかと思われました。

「我輩お腹がペコリーノだったのれす。助けてくれてメルスィー」
「坊ちゃん。貴方は我輩の大切な人に何処か似ています」
「是非、我輩もお供させて欲しいのだワンッ!」――と冬犬は言いました。

「兄退治は危険だぞ。泣いちゃうかもだぞ。それでもお前は、僕に着いて来りゅのか?」
「ワンッ!(このラ行の残念さが、寧ろ堪らなく愛しい♪)」
「この地平線に在る限り、貴仔に永遠の愛と忠誠を誓います」
こうして、桃雫狼には一匹目の旅の仲間【冬犬】というお供が出来たのでした。

さて、今日という日の残り時間も僅かとなってきましたが、皆さん大丈夫ですか?
学業は、仕事は順調ですか? 体調は? 元気に着いてこれてますか?
……重畳です。其れでは巻いていきましょう。










其れは、一行が魔の山の中腹に差しかかった時のことでした。
何とも不気味な声が地面の方から響いてきたのです。

「……我ノ眠リヲ妨ゲルノハ誰ダ?」
「畏レヨ。汝、小サキ者ヨ」
「我ガ名ハ、アスモデウス……」

「デハナイ。少シモ似テオラヌ。クックックッ」
何だコイツは? 此れが伝説の独りノリツッコミってやつか!?
  と桃は思いましたが。正直、其処を膨らます余裕はないッ。兎に角――

今だッ。桃よッ。投げつけろッ♪

桃はッ。キビ団子をッ。大きく振りかぶってッ……「痛ぇっ!!!」
その時、彼方より飛来した一条の矢が桃の胸を貫いた。
其れは偶然、彼方で修練を積んでいた武士、鈴木が放った矢であった。

桃は薄れゆく意識の中で...
時代考証を大胆に無視して何故か存在する...
其の...其の足元の...其の蒼い石畳に倒れ込んだ……。

鈴木はwebで……。



【多少はやる気のある用語解説】

※桃だろう?:
或る昔話をベースにしてはいるものの、恐らく予想外の展開になるであろう小説。

※革命(かわ・みこと):
仇名は「かくめい・せんせい」。この小説の作者であり、神。超↑遅↓筆↓である。

※桃雫狼(ももだろう):
御存知この物語の主人公の名前。昨年の4月1日に公募したらしい。

※爺:桃を拾ったお爺さんの事である。案外ボケ。

※超爺:同居してはいるが、爺との関係は作中では不明である。最年長かつ、超ボケ。

※G:爺達の隣に住んでいる胡散臭いお爺さん。ツッコミが冴え渡る。

※三爺:上記の三人の爺さん達の総称。紙面の都合もあり、よく三人一纏めにされる。

※モルディブ:インド南西の島国。碧い海と珊瑚礁が美しい楽園である。

※魔の山:古の悪魔が封印されているという噂の殺伐としたエリア。

※吉幾三:数々の名曲を持つシンガーソングライター。訛り方が凄い。だが、そこが良いッ!

※バリ昼:ビバリーヒルズの略称としても有名。或の警官や青春白書で大ブレイク。

※冬犬(イヴェシアン):最初の仲間。好物は栗。サウスちゃんの方ではない。

※アスモデウス:ソロモン72柱の魔神の1柱である。サラサラな髪が好きなのかもねッ!

※鈴木:本名は鈴木檻於之介(すずき・おりおのすけ)。弓術の達人。