|
|
きょうのコラム「時鐘」 2009年4月1日
きょうから4月。輸入小麦や航空サーチャージ(燃油特別付加運賃)値下げがあり、5月には電気料も安くなる。家計に朗報が続くという
が、金融市場が今も混乱する米国は、企業への税金投入で一喜一憂の状況だ。これまで自由主義経済を支えてきた市場経済とは何だったのか、問い直されているのも今回の経済危機の特徴だろう 金沢の近江町市場では「ちょっこしまけて」「いや堪忍」などと買い手と売り手の呼吸でモノの値段が決まることもある。高いと思った客は安い店に移って行く。市場経済の原点だ。昨年の原油のように需給関係を離れた投機的相場は健全な市場経済と言えただろうか 市場が、しじょうと呼ばれて以来「市場理論は市場を無視している」(複雑さを生きる・安冨歩著)と説く学者がいる。一方、金沢や京都の「市場(いちば)にはちゃんとした生活がある」(都と京=市場(イチバ)と市場(シジョウ)・酒井順子著)といいところを突く指摘もある 土地には土地の、暮らしを守る市場(いちば)がある。新年度の新鮮な感覚で身近な市場(いちば)と市場(しじょう)を見直し、健全で自由な競争社会を育てる目を養いたい。 |