ヴァンヴェール×エール | ゼフィール×エール | ベルノワール×エール

 

■ヴァンヴェール×エール

【エール】

「ねぇ、ヴァン。僕たちが出演する『君の中のパラディアーム』って、どんなお話なの?」

【ヴァン】

「近親相姦ゲームといってな、俺とエールがあーんなことや、こーんな恥ずかしいことをするゲームなんだって」

【エール】

「あ、今日ってエイプリルフールか。なーんだ、嘘でよかった」

【ヴァン】

「残念なことに、これは本当のことなんだ」

【エール】

「……嘘って言ってよ」

【ヴァン】

「100%事実だ!!」

【エール】

「いやだぁぁぁっ!!」

【ヴァン】

「そんな、全力で拒否しなくても……兄ちゃん、ちょっと傷ついちまったぜ」

【エール】

「ありえない。僕とヴァンが――」

【ヴァン】

「今から練習しとくか。ちゅ〜」

【エール】

「……」

【ヴァン】

「なんだよその目は。ちょっと冗談言っただけだろ」

【エール】

「ちょっと今から台本書き換えてくる」

【ヴァン】

「書き換えるって――エールはどういう話がいいんだ?」

【エール】

「そうだね――例えば……昔、昔、あるところに神様がいました」

【ヴァン】

「ふむふむ、それで?」

【エール】

「白き翼の神と黒き翼の神はとても仲良しでした」

【ヴァン】

「お、物語っぽいな」

【エール】

「白き翼の神は登山に、黒き翼の神は海水浴に出かけました」

【ヴァン】

「それで、それで!?」

【エール】

「川上から双子の子供が流されてきました」

【ヴァン】

「おお、俺登場だな!!」

【エール】

「沈みました」

【ヴァン】

「沈むのかー!!!」

【エール】

「そこにブランセルという若者がやってきて」

【ヴァン】

「兄ちゃんだ!」

【エール】

「沈みました」

【ヴァン】

「沈ませるなよ!! 助けるんじゃないのかよっ!!」

【エール】

「白き翼の神は崖から転落してお星様になり、黒き翼の神はやっぱり海に沈みました」

【ヴァン】

「あーあ、神様死んじゃったよ。どうすんだよ」

【エール】

「みんないなくなったので、エールという少年の貞操は守られました。めでたし、めでたし」

【ヴァン】

「どんだけ俺たちと絡むのがイヤなんだよ。てか、ゲームにならんだろ」

【エール】

「だって、したくないもん」

【ヴァン】

「したくないって、なにするか知ってんのか? なぁに想像してんだよ。兄ちゃんに言ってみろ〜エールのエッチ、エールのエッチ!」

【エール】

「はぁ――子供だね、ヴァンは。お兄ちゃんやめて、弟になったら?」

【ヴァン】

「おぉ、俺が末っ子になるのか。それもいいな」

【エール】

「じゃあ、そのパターンでお話考えてみるね」

【ヴァン】

「いっちょエロエロなの頼むぜ!!」

【エール】

「昔、昔、あるところにヴァンヴェールという少年がいました」

【ヴァン】

「わくわく」

【エール】

「沈みました」

【ヴァン】

「ちょ!!!! いきなりすぎんだろ。なんでそこで沈むんだよ。てか、どこに沈んだんだよ、俺っ!」

【エール】

「底なし沼とかかな?」

【ヴァン】

「ダークすぎるんですけど、エールさん? 俺のこといじめてない?」

【エール】

「そんなことないよ」(にこっ)

【ヴァン】

「よし、その先は俺が考える!!」

【エール】

「ヴァンが? 考えられるの?」

【ヴァン】

「任せろっ! えーっと、沈んだというのは冗談で、実は浮いていました。そう、ヴァンヴェール少年は魔法が使えたのだっ!!」

【エール】

「ちょっと面白そうだね」

【ヴァン】

「そこでヴァンヴェール少年は魔法を使い、生き別れになっている兄弟を探すことにしました」

【エール】

「ヴァンにしてはまともだ」

【ヴァン】

「旅の途中、兄のエールを見つけ――」

【エール】

「ふむふむ」

【ヴァン】

「合体しました」

【エール】

「い、いきなり!! しかも僕と勝手に合体しないでよ!!」

【ヴァン】

「いきなりすぎると怒られたので、とりあえずちゅーしました」

【エール】

「キスもいきなりすぎるよ……」

【ヴァン】

「そして、合体しました。ハァハァ」

【エール】

「いやぁぁぁっ!! 今、僕で変なこと想像したでしょ」

【ヴァン】

「そんなことするわけないだろ。ハァハァ――ぐへへ」

【エール】

「やっぱりだめっ!! 役交代しても、ヴァンが変態のままだと意味ないじゃないかっ!!」

【ヴァン】

「そこに双子の兄ゼフィールが現れ――」

【エール】

「どうせ、合体しましたって言うんでしょ」

【ヴァン】

「一緒にセックスしました」

【エール】

「卑猥だ……卑猥すぎる……なにこの人。本当に僕のお兄ちゃんなの……というか、むしろそれを嘘だと言って。信じたくない!!」

【ヴァン】

「なぁに照れてんだよ。ほぉら、もっとエッチな単語を聞かせてやろうか?」

【エール】

「耳元で変なこと囁くなぁぁっ!!」


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■ゼフィール×エール

【ゼフィ】

「今日はエイプリルフールかぁ。よぉし、エールに嘘をついて驚かせよっと」

【エール】

(聞いてしまった……うーん、これは嘘だとわかってても、驚いてあげなくちゃ)

【ゼフィ】

「あ、エール! ねぇ、ねぇ、聞いた?」

【エール】

「えっ、あ、なんの話?」

【ゼフィ】

「エールと僕、本当は血が繋がってないんだって!」

【エール】

「……えぇぇ!? お、おどろいたーっ!」

【ゼフィ】

「なーんてね、嘘だよ。驚いちゃって、かわいいね。僕とエールが兄弟じゃないわけないよ」

【エール】

「あはは……そ、そうだね。びっくりしちゃったよ」

【ゼフィ】

「あと、こんな話、聞いた?」

【エール】

「ん、なに?」

【ゼフィ】

「実はね、僕は女なんだよ!!」

【エール】

「――えぇぇ〜びっくり」

【ゼフィ】

「なーんてね、嘘」

【エール】

「……そ、そう、よかった」

【ゼフィ】

「あとね、あとね、実はベルノワール様は童貞なんだよ!」

【エール】

「へぇ〜そうなんだ……」

【ゼフィ】

「う・そ」

【エール】

「……びっくりした……」

【ゼフィ】

「アンフィニ様って、痔らしいよ。イボ痔の方」

【エール】

「それはすごい情報だね……」

【ゼフィ】

「これも嘘でしたーっ」

【エール】

(顔がひきつってきたよぉ。いつまで続くのーっ!!)

【ゼフィ】

「ブランセル兄さんは子持ちで、しかも六つ子なんだって!」

【エール】

「子育て大変そうだね……」

【ゼフィ】

「ぶぶーっ! 兄さんは独身だよ〜」

【エール】

(お願いだから、もうちょっとマシな嘘ついてよ〜)

【ゼフィ】

「これはとっておきの秘密だからね。誰にも言っちゃだめだよ」

【エール】

「な、なんだろ〜ワクワク」(棒読み)

【ゼフィ】

「今すぐに僕とキスしないと、エールに耳としっぽが生えて、猫になっちゃうんだよ!」

【エール】

「……え」

【ゼフィ】

「だからね、キスしよう」

【エール】

「えーっと……」

【ゼフィ】

「早くキスしないと、猫になっちゃうよ?」

【エール】

(キスくらいいいか。僕のために嘘をついてくれているのに、嘘じゃないって指摘するのはかわいそうだよね)

【ゼフィ】

「ほらほら、早く。ん〜」

【エール】

「う、うん。じゃあ……」

【ゼフィ】

「こぉら。騙されやすすぎだよ」

【エール】

「え!?」

【ゼフィ】

「もぉ、こんなわかりやすい嘘にも騙されるなんて、エールは世間知らずなんだから」

【エール】

(えぇぇ〜僕、わざと乗ってあげてたのにっ)

【ゼフィ】

「心配だなぁ。僕の知らないところで悪い人に騙されていないか……」

【エール】

(うぅ、なんだかちょっと悔しいかも)

【ゼフィ】

「僕だったからよかったものの、他の人の言葉は信用しちゃいけないよ。わかった?」

【エール】

「はぁい……」

【ゼフィ】

「うん、エールはいい子だ」

【エール】

「あ、そうだ。ゼフィール兄さんに言いたいことがあるんだけど」

【ゼフィ】

「ん、なぁに?」

【エール】

「僕、実は――長い髪って好きじゃないんだよね」

【ゼフィ】

「!?」

【エール】

「暑苦しいというか、邪魔というか――丸坊主とかいいよね。ツルツルしてて」

【ゼフィ】

「……わかったよ。僕、髪を切ってくる!!」(ダッ)

【エール】

「ああ、待ってよゼフィール兄さんっ、嘘だよー!! って、行っちゃった!! どうしよう」

【ゼフィ】

「エール、エールっ!!」(ダダッ)

【エール】

「あっ、戻ってきた。よかった。さっきのは――」

【ゼフィ】

「なぁんてね。騙されないよ。僕はエールと違って大人だから、嘘はバレバレだよ」

【エール】

「……本当だもん。特に、下はツルツルが好き。じゃないと絶対、付き合わない」

【ゼフィ】

「そ、剃ってくるっ!!」(ダダダダッ)

【エール】

「本当に行っちゃった。まぁ、いっか」


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■ベルノワール×エール

【ベ ル】

「エイプリルフールか……人間が考えたくだらない行事に、たまには付き合ってやるのもいいか」

【ベ ル】

「となると、騙す相手は――ゼフィールは怒られそうだから、騙しやすそうなあのチビがいいな」

【エール】

「騙しやすそうなチビって、僕のことですか?」

【ベ ル】

「なんだ、そこにいやがったのか。丁度いい、俺に騙されろ」

【エール】

「……よくわかりませんが、とりあえず聞きます」

【ベ ル】

「明日、パラディアームは消滅する」

【エール】

「あの、言っていい嘘と悪い嘘があってですね。神様がそんなこと言うと大混乱ですよ」

【ベ ル】

「この俺に意見する気か。だったら、こういうのはどうだ」

【ベ ル】

「実は俺は神じゃねぇ。ただの人間だ」

【エール】

(その方がしっくりくるのはなぜだろう)

【ベ ル】

「なんだ、無反応だな。ちっ、面白くない」

【エール】

「そんなことより、さっきゼフィール兄さんが――うっ……」

【ベ ル】

「どうした、急にうずくまって」

【エール】

「お、お腹が痛い――」

【ベ ル】

「変な物食べたんじゃねぇのか? クソでもしてこい」

【エール】

「いっ――いたぃっ……うぅぅっ」

【ベ ル】

「だ、大丈夫か!? 医者を呼ぶかっ!? 医務室まで歩けるか?」

【エール】

「歩けない――いっ――痛いよぉ」

【ベ ル】

「ど、どうすりゃいい。と、とにかく横になるか」

【エール】

「痛いっ!! 触らないでっ!!」

【ベ ル】

「お、おぅ、悪かったな。とりあえず医者を呼んでくる!!」

【エール】

「……ぷっ」

【エール】

「ベルノワール様、嘘っていうのはこういう風につくんですよ?」

【ベ ル】

「なっ――てめぇ、俺を騙しやがったな! 神であるこの俺を欺くとはいい度胸だ」

【エール】

「ベルノワール様が下手だから見てられなくて」

【ベ ル】

「てめぇ、言いやがったな。その生意気な口、二度と利けなくしてやる!!」

【エール】

「うわっ」

【ベ ル】

「お前に屈辱を味あわせてやろう。そぉら泣き叫べ。屈服しろ」

【エール】

「や、やめて下さいっ!! ゃ……あっ――」

【ベ ル】

「人間の分際で俺に生意気な口を利くことは許さん。人間は俺に従っていればいい。従わないやつは殺す!!」

【エール】

「んっ……あぁっ! やめ――っ!! んはぁっンッ」

【ベ ル】

「どうだ、降参するか? 俺に服従すると誓うか?」

【エール】

「――んっ……い、痛い――」

【ベ ル】

「まぁたその嘘か。今度は騙されねぇ」

【エール】

「くっ――手を離してください。本当に、お腹が――」

【ベ ル】

「腹がどうしたってぇ? 演技するならもっと上手くやりやがれ」

【エール】

「ほ、本当に――ぃっ――痛い……お腹が、痛いんですっ」

【ベ ル】

「誰が騙され――お、おい、泣いてんのか。本当に痛いのか?」

【エール】

「……い、痛い――痛い……」

【ベ ル】

「よ、よし、ここで待ってろ。医者を呼んできてやる!!」(ダダッ)

【エール】

(――行ったかな。単純で助かるよ)

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