この覚書は、某「阿佐武 九王太」が『倶蘭堂無礼図』なる珍妙奇天烈な舞台で、旅の途中に起こる由無し事を書き連ねておく物也。
聊か筆不精故、それほど多くは書き残しておらぬものの、臍の胡麻程度の暇潰しになれば幸いである。
尚、御意見・御感想・突っ込み等は此方の記事に宜しく御願い申す。
2010年04月01日
2009年03月24日
2009年01月30日
2009年01月25日
前後不覚
少々飲み過ぎてしまったのだろうか、昨日の事が浮かんで来ない。
確か、割田守出影殿と、曽尼亜姫殿の祝言に足を運んだ事は覚えている。
その後、祝いの宴で乾杯の音頭を取り、しばし話し込み……
そうだ、命鈴殿と会って、それから、それから……
いかんな、耄碌するような歳でも無い筈なのに。
命鈴殿と会った時、ふと良い香りがしたのは覚えている。
香を炊いたのか、匂い袋を忍ばせていたのか、その辺りは定かでないのだが、その香りを嗅いでからの記憶が、靄がかかったようになってしまっている。
気が付いた時、改めて聞いた所に因ると、どうやら某は命鈴殿に夫婦の契りを結びたいと言ったようだ。
命鈴殿は暫く考えた後、承諾の旨を某に伝えたと言う。
成る程、気を失ってしまうのは仕方の無い事だったのか。
よし、今宵の夕餉は赤飯を炊く事にしよう。
2009年01月13日
旅の途中で
怖姐留の大通りを歩いていると、みすぼらしい形(なり)の女子を見かけた。
行き倒れと見紛うばかりの風貌、薄汚れた着物、行水さえしていないのか、鼻の曲がるような匂いもする。
行き交う民が皆、眉を顰め、奇異の眼差しで女子を一瞥していく。
某も関り合いを避けようとも思ったが、「情けは人の為ならず」と昔から言うではないか。
先ずは風呂の世話をしてやった。
湯浴みを終え、洗った着物が乾くまでの間、少々身の上話を聞いてやった。
女子の名は『見亀 雌慰』といい、仕えていた主人から暇を出され、彼方此方を彷徨っていたという。
路銀は既に尽きており、此処暫くは水しか口に入れていないとか。
生憎、某も偶々持ち合わせの乏しい折だったので、怖姐留で懇意にしている飯屋に口利きをして、兎に角食う事だけはできるよう約束をした。
それにしても、浴衣の合わせ目を突き破らんばかりの乳の張りは目の遣り場に困った。
まるで真桑瓜ではないか。
いやいや、湯上りの様は搗きたての餅の様にも見える。
此れ程の物を持つ女子は、そうは居まい。
いかんいかん。
某は命鈴殿と祝言の約束を結んだではないか。
気を確かに持つのだ、阿佐武九王太!!
行き倒れと見紛うばかりの風貌、薄汚れた着物、行水さえしていないのか、鼻の曲がるような匂いもする。
行き交う民が皆、眉を顰め、奇異の眼差しで女子を一瞥していく。
某も関り合いを避けようとも思ったが、「情けは人の為ならず」と昔から言うではないか。
先ずは風呂の世話をしてやった。
湯浴みを終え、洗った着物が乾くまでの間、少々身の上話を聞いてやった。
女子の名は『見亀 雌慰』といい、仕えていた主人から暇を出され、彼方此方を彷徨っていたという。
路銀は既に尽きており、此処暫くは水しか口に入れていないとか。
生憎、某も偶々持ち合わせの乏しい折だったので、怖姐留で懇意にしている飯屋に口利きをして、兎に角食う事だけはできるよう約束をした。
それにしても、浴衣の合わせ目を突き破らんばかりの乳の張りは目の遣り場に困った。
まるで真桑瓜ではないか。
いやいや、湯上りの様は搗きたての餅の様にも見える。
此れ程の物を持つ女子は、そうは居まい。
いかんいかん。
某は命鈴殿と祝言の約束を結んだではないか。
気を確かに持つのだ、阿佐武九王太!!