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▽医師不足の都市部深刻 16回拒否も
中国地方の重症患者の救急搬送で昨年、医療機関に受け入れを3回以上拒否されたケースが471件に上ったことが、5県の調査で明らかになった。広島県内では約7割が広島市消防局管内に集中し、16回拒否された例もあるなど都市部で深刻化している。
総務省消防庁の全国調査に合わせ、各県が三週間以上の入院が必要な重症患者を搬送した事例を、各消防局、消防本部などを通じて集計した。
昨年の五県の重症患者搬送は二万九千百五十九件で、うち三回以上拒否されたケースは四百七十一件。全体の1・6%に当たり、全国平均3・6%は下回った。調査初年の二〇〇七年は三百三件(十消防局、消防本部のデータなし)だった。
県別に三回以上の拒否件数をみると、広島の二百二十三件が最多となった。広島市郊外の九十歳の女性が早朝、自宅で心筋梗塞(こうそく)を発症した際は十六回、病院から拒否され、救急車は現場に四十五分間とどまらざるを得なかった。
県消防保安課は「都市部を中心に、医師不足などで病院の受け入れ態勢が厳しくなっている」とみる。他の四県は、山口五十六件▽岡山百六十八件▽島根八件▽鳥取十六件。
三回未満も合わせた拒否理由では、医療機器がないなどの「処置困難」が28・3%で最も多く、「ベッド満床」(18・4%)、「医師が手術または患者の対応中」(17・7%)が続いた。
五県は、軽症を含めた妊婦や子どもの救急搬送についても調査した。三回以上の拒否は十五歳未満の子どもの場合、二百五十九件に上り、〇七年比で倍増した。妊婦は二件増えて十一件だった。
消防庁は、受け入れ先の確保に向けて都道府県ごとに救急搬送のルール作りを義務付ける消防法改正案を通常国会に提出している。広島県は消防、医療機関などとつくる県メディカルコントロール協議会を中心に対策の検討を急ぐ。(高橋清子)
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