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help リーダーに追加 RSS ニュースJAPANの「虫歯治療の知られざる現実」について!!

<<   作成日時 : 2009/03/14 16:54   >>

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昨日、スタッフの女性から「銀歯の虫歯治療について」 ニュースで特集されていたと聞きました。

調べると、2〜3日前の  ニュースJAPANの中の「時代のカルテ」というコーナーで「虫歯治療の知られざる現実」

という特集をしていました。

ご興味のある方は、まずは御覧ください。 (You Tube です。)


http://www.youtube.com/watch?v=okWzm6_0Oh8


要は、

「銀歯は良くないよ。 歯をたくさん削らないといけないし、歯と銀歯の隙間からまた虫歯になる可能性もあるよ。」

「それに比べてレジンを詰める治療は、歯を削る量も少ないし、簡単には割れないよ。」

「だから、銀歯を詰める治療より、レジン(白い樹脂)を詰める治療の方が優れているよ。」

「でも歯医者は、レジンを詰めるより銀歯を入れるほうが時間効率が良いし、儲かるのでレジンを詰める治療が普及

 しないんだよ。」


という内容のことである。






だからと言って、皆さんが、「全ての虫歯で銀歯よりもレジン充填を歯医者に要求する」というのはどうかと思います。

理由は後に述べます。



私の中では、約7〜8年ぐらい前から、このレジン充填という治療はスタンダードになっています。

何故かというと、歯(象牙質)とレジン(白い樹脂)の接着技術がようやく確立されたからである。

                            (デンティン ボンディング システム の確立)


要は、歯(象牙質)とレジンが良く接着するようになったので、それだけ信頼できる治療になったのです。

ですから、私の自費診療の範囲内ではレジン充填治療は前歯であろうと奥歯であろうと極めてスタンダードな治療なのです。


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  治療前・・・・・銀歯2本と虫歯1本を治療して、白くしてほしいとのことでした。




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  治療後・・・・・3本をレジン充填しました。








しかし、問題は「保険診療の範囲内でのレジン充填治療はどうか??」ということです。

前歯は色にそれほどこだわらなければ、保険治療で十分レジン充填治療してもらえますが、

奥歯になると、難しくなってくるのです。


(実は・・・・・・真剣に治療すると、前歯の色合わせが一番難しいのですが・・・・・・)



上の図(治療前)の向かって右の歯のようにかみ合わせ部分に限局している虫歯だと、レジン充填で十分問題ない

のですが、向かって左の歯のように銀の詰め物の部分 (噛み合わせ部分+歯の側面部分) が虫歯になると

レジンを詰めるのが難しくなります。



時間がかかり、技術が必要なのです。


下手に短時間で治療を行うとしっかり詰まってなかったり、詰めたところが引っかかって食べ物がつまったり、
デンタルフロスが入らなくなって清掃できなかったり・・・・・・・

後で悲惨な目に合います。



「レジン充填治療は煩雑に行うと、次の虫歯を生み出す治療になるのです。」




ですから、難しいレジン充填の鉄則は、時間をしっかりととり、唾液からの防湿を確実にし、マイクロスコープ(顕微鏡)や拡大鏡を使い、必要最小限に虫歯をとり、かみ合わせや隣の歯とのバランスをとり、確実に歯の形態を作りながら詰めることなのです。


(VTRの最初に出てきた東京の開業医の先生のような治療の仕方。
 ちなみに、その開業医の先生の治療は全て完全自費治療で保険治療はされていませんよ。)




ここまでするには現実、保険治療では、無理だと思います。


私の保険治療範囲内でのレジン充填は、かみ合わせ部分だけの簡単なケースや、側面の壁が一つ壊れていても、    30分以内で確実に修復できるケースは保険治療でも行います。

が虫歯の範囲が大きい難しいケースは、自費治療でしかしません。





ですから、特集のVTRの中で、日本歯科保存学会が、銀歯治療からレジン充填治療に推奨している症例は、

かみ合わせ部分だけに及ぶ小さな虫歯だけなのです。

小さい字で「一級窩洞に限る」 とでてきます。

ですから、保険治療で全ての銀歯をレジン充填にできると言っているわけではないのです。



結論として、レジン充填治療というのは、方法としては非常に良い治療であるが、

治療中のテクニカルエラー(技術的なミス)を起こす可能性の高い治療なのです。

ですから、本来治療に時間を掛け、エラーを起こさないように慎重に行われなければなりません。

「難しいケースのレジン充填治療を短時間で煩雑に行われた治療ほど、後の結末で治療歯が悲惨な状態になることが多いのです。」





















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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
先生、素晴らしい充填ですね!

レジン充填について全く同感です。
(特に保険診療の範囲内の話)

マスコミの偏った報道に問題が
あるのかも知れませんが・・・

お体に気をつけて、
開業準備がんばってください!
k-t@
2009/03/15 12:05
k-t@先生、はじめまして!    
コメントありがとうございます。

私が症例に挙げたレジン充填も、自費充填のケースであり、
保険治療の範囲内の充填治療では、ここまではできません。

ご指摘の通りマスコミの報道の仕方にも問題があると私も思います。


保険治療の範囲内でのレジン充填と、治療時間が十分に掛けることができる自費治療を混同して報道しておりますし、

視聴者に「全てのケースで、レジン充填治療を適用できる」

と錯覚させるような報道はいかがなものかと思いました。


このような「偏った」ととらえられても仕方がない報道によって
虫歯治療をこれから受けられる患者さん達にも
真面目に日々診療されている歯医者さん達にもどちらも得をしな思い、このブログを書きました。

報道番組も、レジン充填という治療方法もあると視聴者に教えることは良いことだとは思いますが、
それよりも、もっと「これからの歯科保険治療がどうあるべきか」を視聴者や厚生労働省に考えさせる報道をして頂きたいと思っております。
mondo
2009/03/15 13:45
もっもしかして…、
このスキルの高さはモンド先生では…。
音信不通でしたが見つけてしまいました。

確かにその通りです。でも、自分達が意図するところは違うところに行ってしまいました。
いろいろ伝えたいことがあったんですけど…。

また時々遊びにきます。

もっもしかして…
2009/03/20 15:47
コメント有り難うございます。
以前、ミクシーでご一緒させて頂いた方でしょうか?

もうあれから2年ぐらい経つのでしょうか・・・
月日の過ぎるのは早いものです。

自分自身ミクシーに対していろいろと考えさせられることがあり勝手ながら退会させて頂きました。
その節はお世話になりありがとうございました。

今は、いろいろな歯科界方々との実際の出会いがあり、私自身非常に充実しております。

Mondo
2009/03/21 22:42
>>ミクシーでご一緒させて頂いた方でしょうか?
歯科衛生士コミュでは常に的確な冷静なコメントを頂きありがとうございました。Mondo先生が居なければ成り立たなかったコミュでした。
Mondo先生の考えにはいつも感銘を受け、尊敬しておりました。

自分は2年ほど前に小さなオフィスを構え、細々と日々診療しております。
Mondo先生も開業?されるとのことで、おめでとうございます。

もしよろしければまたMondo先生にコインタクトを取りたいのですが如何でしょうか。相談したいこともあるのでご検討をお願いいたします。


もっもしかして…
2009/03/22 08:03
私の推測が正しければ、私の方こそ先生に憧れ、今でも尊敬しております。

先生のお考えに影響を受けた所も多々ございます。

こちらこそ、先生にもう一度コンタクトを取りたいと以前より考えておりました。

本来はこちらから伺うのが筋ですが、間違いがあってはいけないと思いますので、できればまずこちらのHPにメッセージを送っていただけないでしょうか?

宜しく御願い致します。

Mondo
2009/03/22 23:12
Mondo先生のおっしゃる通りだと思います。

普通の人はこれを見たら自分の歯は歯医者に余計に削られたと思われるだけだと思うし、どう考えてもインレーにしか出来ないような症例でも「レジンというのでやってくれ」と言われ、それで出来ないとDrが言えば金儲け主義のヤブ医者扱い。。。

保険のメタルインレーであってもちゃんと作れば私は長年保つものだと思うのですが、メタルインレーにすればその下は必ず虫歯になっているかのような報道をするのもいかがなモノかと思います。

この報道は何が言いたかったのでしょう?

結局現場が混乱するだけでしかないような。

そんな事より私としては、なぜ日本の歯科医はラバーダム防湿を使わないのか?について報道して頂けると面白いのですけどね。

ミロデンタル
2009/03/25 02:18
ミロデンタル様、ありがとうどざいます。

この報道に対しては、先生のおっしゃる通りだと私も思います。

しかし、今まで歯科医師達の中で暗黙の了解とされていた認識事項を一般の方々に知って頂き、一石を投じた報道であったのではないかと思います。

この報道に対しては私以外にもいろいろな先生方がブログで意見を述べられているようですが、

多くの意見は

「我々はレジン充填を問題なく行っており、(おそらく前歯部)何の問題もない。

奥歯に使うと割れることがあるので奥歯には使わない。
あれは行き過ぎた報道である。」

そういう意見が多いように思います。

この報道に関して、このまま片付けてしまうのではなく、(ラバーダム防湿に関しても)今一度歯科医療に対する考えを検討するべきではないのか?

と私は思います。

Mondo
2009/03/25 23:32
>ミロデンタル2009/03/25 02:18
>それで出来ないとDrが言えば金儲け主義のヤブ医者扱い。。。

実際そのとおり「金儲け主義のヤブ」だろう。
仕事らしい仕事をせずに、わずか数分でウン万円(保険込)
歯科離れがますます進み、廃業歯科医師の死屍累々。
当然といえば当然のマーケットメカニズム。


>「難しいケースのレジン充填治療を短時間で煩雑に行われた治療ほど、
>後の結末で治療歯が悲惨な状態になることが多いのです。」

「煩雑」の意味すら分かっていない国語力怪しい人物の
この珍エントリーのどこに説得力があるのやら・・・。

お客様第一主義に徹することのできない
悲しき「視野狭窄理系脳」の歯医者さんは、
この先メシを食っていくのが相当厳しそう・・・。
廃車・敗者・歯医者・拝謝
2009/04/01 14:31

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