歴史的な不況の中で「食」が元気だ。岡山市では今月から「フルーツパフェの街おかやま」プロジェクトが始まった。ホテルやカフェなど約四十店が県産果物をたっぷり使ったオリジナルパフェを競い合う。
記念発売も相次ぐ。あす誕生の政令市・岡山をアピールするのは駅弁会社の「おかやま弁当」。開業十周年の井原鉄道は沿線の特産品を使ったラーメンを四月から売り出す。想像するだけで心がうきうきするのは食の功徳だろう。
宇宙からも食べ物の話題が届いた。国際宇宙ステーションに滞在中の若田光一さんからのブログによると、持ち込んだ二十八種の宇宙日本食のうち、米ロの飛行士に特に人気があったのは「さばのみそ煮」だったそうだ。
無重力で暮らす宇宙空間は孤独で過酷だ。骨量は一カ月で1―1・5%減る。この減り方は骨粗しょう症の高齢者の十倍に相当する。筋力も帰還までに約20%衰えるという。食事の楽しみは地上に倍するに違いない。
文化人類学者の石毛直道さんは、動物と人間の食の違いは「料理をする」ことと「共食する」ことだと言う(「考える胃袋」)。人類同士が宇宙で共に食べ、語る風景はほほえましい。
若田さんを送り届けたスペースシャトルは帰還し、残る滞在は三カ月。おいしく食べて頑張ってほしい。