朝日新聞社は今年、創刊130年を迎えましたが、この間、時代は大きく変わりました。いま私たちが目指しているのは、総合情報企業としての朝日新聞社です。とはいえ、事業の中核が新聞事業であり、最も大切なのが新聞作りであることは全く変わりません。インターネット時代を迎え、紙媒体の危機が叫ばれています。先日、創刊130年を記念した特集ページを掲載しました。このなかで、スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんは、こんなことを言っています。「文章だって本当はみんな、紙で読みたいに決まっている。読みたくなるような紙面作り、という原点に立ち返れば、新聞は必ず残っていくと思います」。この言葉に私たちは大変励まされています。スピードではネットに劣るかも知れませんが、問題の分析力、ニュースの解説、埋もれた問題を掘り起こす調査報道ではどんなメディアにも負けない。新聞には、まだまだそういう力があると思っています。朝日新聞社は、新聞事業のほか、私たちの強みを生かした新たなビジネスに挑戦していこうとも考えています。インターネット、携帯電話を使った情報発信などです。記者には、これまでのように新聞の記事だけを書くことだけではなく、ネットや携帯にも情報発信し、さらにはビデオカメラで動画を撮ることも求められるようになってくると思います。新聞記者の仕事も少しずつ変わってきているわけですが、この機会に、朝日新聞記者の仕事がどういうものなのか、理解していただければと思います。