Kinoko4u
 
 
20XX年
キノコとの最終戦争後
人類はなんだかんだで生き残っていた

僅かに残った人類は
文明社会の復興を目指し再び歩み始めようとしていた

だがしかし、奴らもまた生き残っていたのだ

諏訪 楡(すわ にれ)は、とある共同体の寺院で孤児として育った。
労働と祈りの日々。
辛い思いをすることもあるが、いい子にしてさえいればなんとなく全てをやり過ごせるはず。
それが欺瞞でしかないことを、本当は知っていた──。

ある日、共同体を野盗の集団が襲う。
「水と食料とガソリンをよこせ!」
バギーで大挙してきたのは野生化したキノコ達だった。
蹂躙される共同体。楡はその時確信した。神も、仏も、在りはしないのだと。
そしてついに、寺院にも襲撃者の魔の手が伸びる。砲撃を受け炎上する寺院。しかしその崩壊のさ中、楡は見た。大戦の慰霊碑「コロナタワー」に亀裂が走り、中から一振りの長大な刀剣が姿を覗かせたのを。 引き寄せられるようにしてその柄を握る楡。その瞬間、かつての英雄達の声が彼女の心に語りかけてきた。

「YOU、ぶち殺しちゃいなYO!」

 
 
Kinoko4u
 
  宇宙へ飛び去った始祖の遺した置き土産。
個体として独立した生を持つようになったキノコは、人と同じように物思い、そして死んだ。
かつてほどの力を持たない彼らは取り残された大地で路頭に迷い、人類から迫害を受けた。
彼らが以前とは逆に、人類に淘汰されるのも時間の問題であるように思われた。

黒き呪いの剣を背負い、楡はその強大過ぎる力でキノコ達を駆逐してゆく。
ある時は孤高なる王の、ある時は処女英雄の、またある時は馬頭鬼神の、数多の英霊達の荒ぶる魂が楡に力を与える。
「殺せ、壊せ」
「ブスもモテも皆死刑」
「サーチ・アンド・デストロイ」
──だが、それでいいのだろうか?
自ら発する暗黒の炎にその身を焼かれながら、楡は思う。
彼らは一体何のために地上に遺されたのだろう。

そして彼女は、キノコの少女シイマと出会う。
「死んじゃえ、鬼畜ヒューマン!」
出会いがしらに腹に果物ナイフを突き立てられる楡。
だが、彼女はシイマを抱きしめて言った。
「ほ、ホラ、怖くないっ!」



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Kinokoシリーズ真の最終章

全てを包括する、癒しの物語

Kinoko4u
〜Swany Tale〜

2015年公開予定

作者、棄て身で御奉仕します!