生徒が減って、がらんとした教室。中央の2列の席がなくなった=10日、長野県伊那市のコレージョ・デザフィーオ、小林裕幸撮影
生徒が減って、使われなくなった教室=10日、長野県伊那市のコレージョ・デザフィーオ、小林裕幸撮影
深刻な不況が、出稼ぎ日系ブラジル人の子どもの教育を直撃している。長野県伊那市のブラジル人学校「コレージョ・デザフィーオ」では2月初め、空席の目立つ教室で新しい学年が始まった。
昨夏に約90人いた子どもは、派遣切りが激しくなった11月に減り始め、年末は62人、母国と同じく新学年が始まった2月は30人に。昨秋、授業料を3割程度引き下げたが、支払えない親が増えたからだ。「10人前後はブラジルに帰ったが、ほかは家にいるのか分からない」と校長兼経営者で日系3世のヨシムネ・イイジマさん(41)。
会社事務所を借りた校舎は、2階を五つに仕切り、教室として使っている。複式の5学級編成だったが、新学年から1学級減らし、1室は空き部屋になった。7人の教員も帰国が相次ぎ、今は3人。不足を補うため、イイジマ校長も教壇に立ち、ポルトガル語と英語を教えている。
伊那市一帯は企業誘致が盛んで、日系人の労働力需要は高かった。98年に前身の託児施設を開設してからも、これまでは子どもが増えるばかりだった。昨年、ブラジル教育省の認可を受けたが、日本の各種学校には当たらず、公費補助はない。「せめて教室を暖める灯油代でも出してもらえれば」と送迎ボランティアをする関口一枝さん(66)は願う。(田中洋一)