2009年3月31日 19時32分更新
倉敷で創業したしにせの繊維会社クラボウ・倉敷紡績は、不況で市場が冷え込んでいることから、岡山市の工場をことし6月に閉鎖することを決めました。
これは、31日開かれたクラボウの取締役会で決まったものです。
明治時代に倉敷で創業したクラボウは、県内に現在、岡山市の岡山工場と浅口市の鴨方工場の2カ所の生産拠点を持っています。
岡山工場は大正7年に操業を始めた工場ですが、クラボウは世界的な不況で繊維市場が冷え込み、生産の効率化をはかる必要があるとして、ことし6月いっぱいで閉鎖することを決めました。
クラボウによりますと岡山工場では、ジーンズなどに使うデニムのための糸を年間およそ3000トン生産し、倉敷市児島地区の衣料品メーカーにも供給しています。
岡山工場にはパートを含めて66名の従業員がいますが、クラボウは社内での異動や関連企業への転籍で雇用を維持する方針で、今後、労働組合と協議するとしています。
工場の閉鎖についてクラボウでは「歴史のある工場の閉鎖は残念だが、会社全体として繊維事業を発展させるためにやむをえないと考えている」と話していて、今後、生産を愛媛県や海外の工場に移し、供給はこれまで通り続けることにしています。