医師不足対策として日向市が同市北町に整備を進めていた初期救急診療所が完成し、30日、開所式が行われた。夜間の軽症患者受け入れにより、重症患者に対応する2次救急医療機関の負担を軽減するのが狙い。4月1日から診療を始める。
初期救急診療所は内科と外科の2科体制で、平日午後7時半から同9時半までの間、13歳以上の軽症患者を受け入れる。スタッフは医師と看護師各2人、薬剤師1人、事務員1人。医師と薬剤師は、日向市東臼杵郡医師会と日向市・東臼杵郡薬剤師会の会員がそれぞれ交代で勤務する。
同診療所は木造平屋建て(約176平方メートル)で診察室2、調剤室1などで構成。建設費は約5000万円。年間運営費は約2500万円と見込まれ、このうち診療報酬でまかなえない分は同市と周辺2町2村(門川町、美郷町、諸塚村、椎葉村)で負担する。
30日の開所式には関係自治体と医師会、薬剤師会の代表が出席。黒木健二市長は「日向・入郷地区において2次救急医療体制の維持が危ぶまれる中、医師会と協議を重ね、診療所を開設することになった。負担をおかけするが、救急医療機関の負担軽減という目的が果たされるよう願っている」と述べた。
=2009/03/31付 西日本新聞朝刊=