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コント、浅草、女性を愛す…コメディアン・前田隣さん

2月19日、肝硬変のため72歳で死去

前田隣さん(クリックで拡大)

 「♪親亀の背中に子亀を乗せて〜」「赤上げて! 白下げて!」などのギャグで1960〜70年代のトリオブームを牽引した元ナンセンストリオのメンバー。

 解散後は毒舌漫談で人気を博し、司会などでも活躍。99年に肝臓がんを告知されてからも舞台を務め、最期は弟子や仲間たちに囲まれ、生前望んでいた通り、30歳年下で“4代目の妻”紀子さんの手を握って旅立った。

 月命日の3月19日に東京・浅草ビューホテルで営まれたお別れの会。前田さんを題材に小説を書いた吉川潮氏は、「コントを愛し、浅草を愛し、エノケンを愛し、音楽を愛し、そして女性を愛した芸人の中の芸人」と、評した。

 昨年末、見舞いに訪れたときにはすでに会話を交わせなかったが、「散髪したてのさっぱりした頭が兵隊さんのようだったので、野戦病院だねと言ったら敬礼をした。しゃべれなくてもアクションでボケてくれて…。コント芸人の鑑のような先生だった」。

 中学・高校の同級生でイラストレーターの山藤章二氏は、「いつもクラスの人気者でした。みんな学校の中だけでは物足りず、下校時に一駅分遠回りさせて道中の冗談をせがんだものです」と振り返った。

 2003年には、北野武監督の映画『座頭市』にも出演。放送作家のベン村さ来氏が端役起用に首をかしげると、「お前、分かってないね。これはたけしの照れじゃないか。あいつは、本当は俺を主役にしたかったんだよ」と答えたと語り、温かい笑いを誘った。

 弟子に限らず若手芸人を愛し、目をかけたことでも知られた。「若手の中でこれほどかわいがられた男はいない。頭の先からつま先まで同じサイズで、生前はお下がりをもらい、亡くなってからは歩く形見分け」と紹介されたのは、立川左談次の弟子で落語家の立川談奈。「晩年には落語もやられた。それがまたおもしろかった。『芸人はお客に媚びちゃいけない』というのが口癖でした。ご自宅にお邪魔すると僕のためにオムライスを作ってくれて、ケチャップで“バカ”と…。骨を埋めると浅草に戻ってからは、パトロールと称して奥さんと散歩するのが日課でした。そうすると、浅草全体が先生の楽屋のようになって…」

 今後も、故人を慕っていた人を中心にライブが予定されているという。

ZAKZAK 2009/03/31

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