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“コミケの父”米澤氏の遺産で…明大「マンガ」図書館

十数万冊以上

 明治大学(東京都千代田区)は今夏にも、漫画とサブカルチャーなどの専門図書館「米沢嘉博記念図書館」を開館する。蔵書は十数万冊以上になる見込みで、大学施設としては、京都市と京都精華大学が共同運営し、20万点以上を有する京都国際マンガミュージアム(京都市中京区)に次ぐ規模という。

 蔵書は、毎回50万人以上を集める世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」の理念を形作り、2006年に肺がんで53歳の若さで死去したマンガ評論家、米澤嘉博氏のコレクションが中心。米澤氏が同大卒という縁から遺族がコレクションを寄贈し、開館につながった。本は段ボール4500箱以上で、図書館となる猿楽町第五校舎(地上7階、延べ床面積約810平方メートル)に搬入され、現在、担当職員らが目録作りなど整理に追われている。

 米澤氏は1972年、明大工学部に入学。あえて“マン研”には所属せず、自作漫画の同人誌を制作。そのかたわら、漫画批評集団に参加し、75年からコミケの開催に尽力した。80年から06年夏まで準備会代表を務め、コミケを「世界一のオタクの祭典」と呼ばれるまでに成長させた。マンガオタクの間では「日本一マンガを読んだ男」とあがめられている。

米澤氏(クリックで拡大)

 コミケ30年の歴史の中で、これまで大きな事故が起きなかったのは、ボランティアスタッフに高い意識を持たせた米澤氏のリーダーシップによるところが大きい。漫画家のみなもと太郎氏は昨年5月の追悼イベントで、「彼にさえ聞けばマンガのことはなんでもわかる、という人物が亡くなってしまった」と嘆いたほどだ。

 「コミケ代表」としての側面がクローズアップされる一方で、サブカルチャー評論家としても数多くの著書を執筆してきた。そんな同氏の愛蔵書を展示するだけに、同図書館の位置づけはあくまでも研究、教育施設。古い資料や貴重な資料が含まれるため、館外への貸し出しは行わないが、同大生以外にも館内閲覧を認めるという。

 当面は漫画雑誌や単行本、同人誌、SFや映画雑誌など紙媒体が中心だが、将来的には対象をアニメ映像にも広げるという。担当者は「数年かけて(蔵書数を)国内最大規模にし、文化研究の先端施設にしたい」と意気込んでいる。

ZAKZAK 2009/03/31

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