福岡県医療審議会は30日、福岡市が同市東区の人工島に移転整備する市立こども病院・感染症センターの病床数について協議し、市が申請した260床(現在は214床)までの増床は認めず、233床までとする審議結果をまとめた。260床の新こども病院像を描き、整備計画を立てていた福岡市は、計画見直しを迫られることとなった。
福岡市を含む福岡・糸島保健医療圏は、医療法で病院のベッド数が多いとされる「病床過剰地域」。増床は原則認められないが、市はこども病院が、医療法で「特例病床」として例外的に整備が認められる「小児医療」と「周産期医療」に当たると主張し、県に増床を申請。県が審議会に諮問していた。
審議会は30日、福岡市博多区で開いた本年度会合で病床数について協議した。
審議会は、こども病院が特例病床に当たるとしつつ、「増床は最小限にすべきだ」と判断。市が「利用患者数が現病院の2割増となる」などとして32床の設置を求めたHCU(重症者治療室)について、「2割増の根拠が不明確」として25床にした。
市が30床を求めた産科についても「受け入れ対象を、胎児の健康が危ない分娩(ぶんべん)に絞ればいい」として18床までにとどめるなどした結果、全体で233床とした。審議結果は4月中旬ごろ、麻生渡知事に答申する。
市は今後、233床での医療収支を試算するなど、整備計画を検討し直す方針。阿部亨・市保健福祉局長は「開院予定の2013年度まで時間がある。今後の市内部の検討や県との協議で『233床では足りない』との結論になれば、増床の再申請も考えたい」と話している。
=2009/03/31付 西日本新聞朝刊=