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上野動物園:パンダ恋しい…入園者300万人割れ 2位「旭山」が急伸

 動物園としては日本一の入園者数を誇る上野動物園(東京都台東区)で、今年度の入園者数が前年度を大きく割り込み、300万人を下回ることが確実となった。1882年の開園以来全国トップの座を守り続けていたが、2位の旭山動物園(北海道旭川市)に約5万人差まで追い上げられている。昨年4月に最後のジャイアントパンダ「リンリン」が死んだ影響が大きいとみられ、“パンダ待望論”を口にする関係者は少なくない。【江畑佳明】

 上野動物園によると、同園は72年10月に中国からジャイアントパンダ2頭が来園してから人気が急上昇し、74年の入園者は760万人を突破した。しかし、レジャーの多様化などの影響で、90年代から300万人台で推移するようになり、07年度は349万人だった。今年度は25日現在計277万3467人で前年度を大きく割り込みそうだ。

 一方、動物園ブームの火付け役となった旭山動物園は25日現在272万2434人を記録。過去最高の307万人を記録した07年度に比べ、今年度は「不況の影響でツアー客が減った」(広報担当者)ものの、夏休みを終えた昨年8月末までの累計では上野動物園を一時的に追い抜いた。

 上野動物園の田畑直樹副園長は来園者数の落ち込みについて、「正直パンダがいなくなった影響が大きい」とみている。園内に設置された意見箱に寄せられる「見たい動物」も1位はパンダ。しかし、新しいパンダを呼ぶには中国側に年間1億円ともいわれる「レンタル料」を支払う必要がある。園を運営する東京都の石原慎太郎知事は「ずいぶん法外な値段」と消極姿勢を示しており、具体的な交渉は進んでいない。

 今年度はパンダのぬいぐるみなどのグッズ売り上げも前年度の半分ほどに激減している。「旭山動物園に追い越されるのは時間の問題」と危惧(きぐ)する声も出始めており、地元商店街などで作る上野観光連盟の茅野雅弘事務総長は「パンダは上野の象徴的存在。パンダには一日も早く来てほしい。呼ぶための署名活動をする」と話している。

毎日新聞 2009年3月28日 東京夕刊

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