「平和憲法」とよばれる日本国憲法は、1946年11月に公布され、1947年5月に施行されました。その平和憲法の核心は、その前文と第9条にあります。第9条は日本の「戦争の放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」を訴えており、2007年6月現在まで一度も改正されたことがありません。その条文は次の通りです。 1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 2.
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。 ところが、現在日本の内閣と支配層は憲法第9条の理念を廃棄し、日本の軍事大国化を推し進めようとしています。小泉政権を引き継いだ安倍政権も平和憲法を改悪し、自衛隊の正規軍化を図ろうとしています。既にそのために、改悪派に有利な憲法改正のための国民投票法が成立しました。アメリカの支配権力も東アジアの覇権を維持するため、日本の軍事大国化を強く求めています。このように、日米同盟を強化しつつ、日本の平和憲法の改悪、自衛隊の正規軍化、自衛隊の海外進出が推し進められています。これは、不安な朝鮮半島と東アジアの情勢をいっそう不安定にし、東アジアの平和を脅かすものです。 したがって、私たちは朝鮮半島の統一と東アジアの平和のためにも、日本の平和憲法の改悪を阻止する必要があります。これは日本の市民だけの課題ではなく、平和を希求する人びとの共通の課題でもあります。日本の平和憲法を守る運動は、結果的に東アジアの平和を守る運動になるでしょう。 そこで、これまで日本国内にとどまっていた平和憲法を守る運動を、国外からも支援することが至急に求められています。その一環として、韓国で平和を願う人びとが集まって、日本の平和憲法第9条を守るたたかいを支援する運動が必要だと考えました。そこで、私たちは「日本の平和憲法第9条をともに守る韓国市民の会」(略称:韓国9条の会)を結成し、以下のような活動をすることを呼びかけます。
第一に、アメリカの東アジア覇権戦略に便乗して、日本の保守勢力が推し進めている平和憲法改悪を阻止するための日本の市民活動を支援すること。 第二に、アジア諸国の平和を脅かす日本の軍事大国化を阻止するため、アジアの市民の連帯を呼びかけること。 第三に、戦争や武力行使を禁止する日本の平和憲法の精神は、全世界の平和のために有効かつ普遍的な精神であることを広く知らせること。 第四に、韓国で推進されている国家主義や軍事主義の流れを食い止め、市民の力で平和を守り、戦争と武力行使に反対する活動を展開すること。 2007年10月13日 提案者:金承國/丁鍾權/盧世極/韓錫浩 去る9月28日、金承國氏が団長の「平和訪日団」10人を、僅か10日間の準備期間を経て、教文センター内レストラン聖護院に、京都の約20人が迎えて交流しました。その後、この交流会を企画・運営した須田稔・K9MP事務局長に、「韓国9条の会」結成に参加してほしいとの要請がきて、その後さらに、「討論会=シンポジウム」の3人のシンポジストの唯一の日本人となってほしい、となりました。これとは別に、論文も寄稿してもらいたいと。初の訪韓、しかも大事な市民レヴェルの連帯・交流とあって、事務局長は発憤興起しています。 |