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福井大附属病院 臨床研修センター完成

2009年03月31日

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シミュレーターも備えた臨床教育研修センターで披露された実技のデモンストレーション=福井大付属病院

 福井大医学部付属病院に「臨床教育研修センター」が30日、完成した。国家試験に合格し臨床研修を義務づけられている医学部卒業生を同病院へ引き付け、地域の医療を担う人材育成の拠点とするのがねらい。4月1日から研修医51人が利用する。コンピューター制御の人形を常備した実習室「スキルラボ」を備え、医学生や研修医、看護師が実際の症例を想定した診断や実技を学べるのが特長だ。

 センターは、研修医が休憩や自習、仕事に使える研修医室、100人収容のホール、セミナー室を備えている。目玉となるスキルラボは、心肺蘇生や救命措置、静脈注射などの器具、コンピューター内蔵のシミュレーション人形が24時間使える。

 特に乳幼児の人形は呼吸障害や敗血症など複数の症例を設定でき、酸素が足りない状態では呼吸が乱れてあえぐなど、実際の臨床さながらの訓練が可能。専門医研修中の医師(29)は「患者相手に『練習』するわけにはいかないが、ここでは症例を設定して初期対応を教えることができ、実践を補える」と話していた。

 臨床研修制度の義務化は04年。症例の多い都市部の病院に研修医が集中した結果、地方の医師不足を招いたとされる。同大によると、県内で50人前後いた研修医が一時は約30人まで激減。センターの完成について福田優学長は「医療実技の向上と、研修医の獲得につながる」と期待する。

 院外の医療関係者の研修にも開放する方針で、山口明夫病院長は「大学病院の教育環境がよくなり、地域医療に貢献できる」と述べた。

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