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宮古島:校内禁酒なし崩し 通知より“風習”優先か

 【宮古島】2008年に飲酒運転や未成年の集団飲酒などが相次いだことを受けて、宮古島市教育委員会が同年12月に市内全小中学校に対して校内飲酒の禁止を求めた通知を出している中、下地恵吉教育長が22日の西辺中学校体育館落成の祝賀会で体育館内での飲酒を容認し、自身も通知を破って飲酒していたことが分かった。また29日に出席した西辺小学校創立120周年記念祝賀会でも本人は飲酒せずに退場したが体育館内での飲酒を認めており、教育長自身が校内飲酒禁止の通知を形骸(けいがい)化させている。

 宮古島市内では08年、中高校生らの集団飲酒での補導が相次ぎ、宮古島警察署協議会が同年11月に市教委に未成年の集団飲酒防止へ協力を求めた。さらに学校内での飲酒後に飲酒運転した住民が交通事故を起こして男子高校生が死亡している。

 こうした事態を受け市教委は08年12月、校内飲酒禁止を通知することを決めた。下地教育長は当時、未成年の飲酒問題などが「PTAや職員を含めて校内で飲酒することも影響している」との考えを示していた。

 今回の西辺小・中の祝賀会の校内飲酒は両校とも各PTAらと話し合って決め、教育委員会の了解も得ていたという。下地教育長は「最終的には学校長の判断で強制はできない。風習を一掃するのは難しい」と容認した理由を述べ、一方で「通知で校内飲酒は減った。PTA役員会や学校行事の後の懇親会を校内で実施していたが、校外へ移すようになった」と話し、通知が一定の効果を生んでいることを説明した。

 また下地教育長は通知に反して西辺中の祝賀会で自ら校内飲酒したことについては「自分だけ飲まないことはできなかった。大きな祝賀会などは大目に見る面もある」と説明した。

 下地教育長は通知について「もっと学校現場の声を聞くべきだった。勇み足だった点はある。学校現場の意見も聞き再度判断したい」と見直しも示唆した。

 西辺中の島袋正彦校長は「地域の要望と市教委の了解を受けた。普段の校内での飲酒は激減した。落成式は特殊な例。体育館の祝いなので館内で実施した」、西辺小の宮国芳美校長は「校内で祝う方が地域も思い出に残る。子どもたちの前では酒を出さない配慮をしている」と語った。

 市内在住のある男性は「創立記念などは地域を挙げ、学校で祝うべき」と主張し、別の50代の男性は「(宮古は酒に寛容な)地域性があるが、通知を出した以上は徹底すべき。特例があると意味がなくなる」と指摘する。(古堅一樹)

(琉球新報)

2009年3月30日

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