飲酒運転懲戒免を撤回 元教頭、停職処分に

 2007年に酒気帯び運転で摘発され、福島県教委から懲戒免職処分を受けた会津工高の元教頭(61)が県人事委員会に行った不服申し立てで、人事委が「懲戒免職は重すぎる」と処分を停職12カ月に修正したことが30日、分かった。福島県人事委が懲戒免職処分を修正したのは初めて。

 元教頭は07年2月16日に会津若松市の旅館であった懇親会で、17日午前零時ごろまでビール中瓶2本と日本酒コップ三杯程度を飲み、旅館に宿泊。乗用車で帰宅途中の同日午前11時半ごろ、会津美里町で一時停止せずに警察官の調べを受け、呼気検査で1リットル中0.24ミリリットルのアルコールが検出された。

 人事委は裁決で(1)運転まで10時間近く休憩するなど飲酒運転にならないよう努めている(2)アルコールが残っていたのは疲労のためとも推測される―などと判断。「処分は重すぎる」と懲戒免職を取り消した。

 県教委は「飲酒運転は原則、懲戒免職」との基準を適用し、2月22日付で懲戒免職にした。元教頭は十分な弁明機会を与えられないまま処分され、内容も重すぎるとして07年4月、不服を申し立てた。

 人事委の裁決について、野地陽一教育長は「飲酒運転は原則、懲戒免職という基準を変えるつもりはない。引き続き厳しい姿勢で臨むが、懲戒免職処分の適用については、今回の裁決も参考に適切に判断していく」と話した。

 元教頭は本来なら08年3月末で定年退職のはずだった。裁決を受け入れれば定年退職扱いになり、退職金が支払われる。
2009年03月31日火曜日

福島

社会



河北新報携帯サイト

QRコード

東北のニュースが携帯でも読める。楽天・東北のスポーツ情報も満載。

≫詳しくはこちら

http://jyoho.kahoku.co.jp/mb/