各社の為替概況。
各メディアの日米欧の為替市場概況をつらつら読んでいると、リスク許容度の低下とリスク回避とをごっちゃにしているケースがけっこう見られる気がいたしますね。なのでリスク回避の円買い、などとイージーに書いてしまう。
円は基軸通貨ではございませんから、「リスク回避の買い」とする場合には別の視点が必要です。まずは投機筋が日本の対外債権などに着目して円の買い持ちを増やすこと(通常は短期ゾーンの国債購入が増加。外見はリスク回避っぽいですね)。それはまぁ、あり得べしながらまだデータ上は判然としない。
シカゴの通貨先物市場での直近データは円の売り持ちでした。
次に日本の個人マネーの動向。リスク許容度の低下がリスク回避のフェーズに変わる局面では、個人が最もビビッドに逃げを打つはずです。言い方を変えるとリスク許容度が下がっただけでは動かない(塩漬けにしておくなど)。現状はどうか。
機関投資家は対応が遅い遅いといえど会計面などでそれなりに手を打たなければならない立場で、2008年秋の段階でかなりコンサバだったはず。3月の決算要因うんぬんと混ぜ合わせている論調も出ているものの、米自動車ネタよりも早くタマがあらわれてますから少なくともビビッての動意ではなさそうに映る。
私自身は信用収縮が再燃するなら円買い再開またはカネが流れ出ないことに伴う円高の芽もあれど、日本の収支構造が以前ほど堅牢ではないので勢いはどうも…、などと考えております。
2009年3月31日(火)07:56