新経営計画を疑問視 岩手県立病院経営委員会

 岩手県医療局の県立病院経営委員会が30日、盛岡市であり、医療局が4月からの地域診療センター無床化を含む「新しい経営計画」に基づく運営方針を説明した。委員からは2011年度に黒字に転換する収支計画の実現性を疑う意見が相次ぎ、「状況に応じて柔軟に見直すことも必要だ」との声も上がった。

 有識者ら7人の委員会が出席した会議で、医療局は無床化実施が決まった経緯などを報告。09年度の最重点課題として(1)無床化する診療センターを円滑に運営するための2次保健医療圏内での病院連携(2)医師の退職を防止する支援策実施(3)情報共有による地域との連携強化―などを挙げた。

 これに対し委員側は、08年度に30億円近い赤字を見込む収支が11年度に1億円余りの黒字になるとしていることを問題視。委員長の小山田恵全国自治体病院協議会名誉会長は「本当に黒字転換できるのか。できない場合、どう責任を取るのか」と疑問を唱えた。

 北上市の公認会計士堤研一氏も「黒字化は信じられない。計画と実態に隔たりが出た時点で、独立行政法人化など経営形態も含め、計画を見直すべきだ」と主張。遠野市の本田敏秋市長も「数字のクリアはかなりしんどい。医療局という枠にとどまらず、市町村を含めた県全体で地域医療を守る体制をつくるべきだ」などと述べた。

 医療局の田村均次局長は終了後、「黒字経営に向けて努力するしかない」と話した。
2009年03月31日火曜日

岩手

経済



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