ここ十数年来、会社の後輩の結婚式に出席したり、知人の子どもたちの結婚話を聞いていて、ほぼ共通する傾向がある。新婚旅行にまつわる内容だ。
新婦の方は独身時代、欧州や米国を中心に何度も海外旅行の経験がある。片や新郎の方は新婚旅行で初めて海を渡るというカップルが少なくない。うなずかれる向きも多いのではないか。
好奇心が旺盛で、活動的な女性が増えてきたからといわれる。新婚旅行の行き先は、必然的に外国慣れした新婦の意向が反映されるようだ。定番のハワイやグアムではなく、アフリカや中南米など日本からみると、まだ気軽に行ける所ではない地域が目立つ。
きのうの新聞で、思わず苦笑いしながら読んだ記事がある。国の特別天然記念物トキに関するニュースである。新潟県の佐渡島で昨年九月、野生復帰のため放鳥されたトキの消息が伝えられていた。
無事が確認されている八羽のうち、四羽の雌が海を越えて本州に渡ったことを環境省が確認した。残る四羽の雄は佐渡島にとどまっている。雌と雄の行動パターンが、はっきり分かれたことを意味する。
トキの間でも雌の方が勇敢かつ行動的で、雄は腰が重たいのだろうか。研究者による原因解明に期待がかかるが、いずれにしても女性、あるいは雌は強し、のようだ。