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【社会】

救急搬送6カ所で拒否、男性死亡 奈良・生駒市

2009年3月28日 11時27分

 奈良県生駒市で21日に勤務先で意識を失った新聞販売所従業員の男性(62)が、県内の6医療機関に受け入れを断られ、大阪府内の病院に搬送されたが死亡したことが28日、分かった。

 生駒市消防本部によると、21日午後1時40分ごろ、同市内の新聞販売所から「従業員が倒れた」と119番があり、救急隊が出動。男性は呼吸と脈はあったが意識不明の状態だった。

 現場の救急車内で隊員が医師の指示を受けながら蘇生措置を施し、搬送先を探したが、打診した奈良市や生駒市の6医療機関から「ベッドが満床」「処置が困難」などの理由で断られた。

 午後2時40分ごろ、近接する大阪府大東市の病院に運び込んだが、約30分後に死亡が確認された。男性は倒れる以前から「最近心臓が痛い」と話していたという。

 生駒市消防本部は「通常でも出動から病院に運び込むまで約40分かかる。搬送が遅れたから死亡したとは直ちには言えない」と話している。

 受け入れを拒否した医療機関には、県立奈良病院の救命救急センターも含まれていた。

 奈良県では2006年8月、分娩中に意識不明になった女性が、約20の病院に転院を断られ死亡。07年8月には救急搬送された妊婦が10回以上受け入れを断られ、死産した。

(共同)
 

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