LRT(次世代型路面電車)の導入など、新しい都市交通のあり方を考える「高松市総合都市交通戦略検討協議会」(会長・土井健司香川大工学部教授)の第3回会合が27日、香川県高松市の高松市役所であった。複数の委員から、琴電琴平線の軌道にLRTを走らせる構想の提案があり、今後の会合で採算面や技術面などを含む実現可能性について検討することを申し合わせた。
同協議会は琴電やJR四国、市民代表ら20人で昨夏に発足。LRTなど新しい公共交通システムの導入を含め、自動車に過度に依存しない都市交通の将来ビジョンを検討し、2010年度中に「総合都市交通計画」を策定する予定。
この日の会合では、複数の委員から、琴電琴平線の現軌道を利用し、複線化用地を確保している高松築港―仏生山間にLRTを走らせる構想が提案された。市企画課によると、LRTは低床で弱者に優しく、本数や電停を増やすことで利便性の向上が見込める。このほか、「仏生山駅を郊外と中心部の交通結節拠点とすべき」「LRT化なら中央通りをまたいで高松築港駅とJR高松駅をつなぐことが可能になるのでは」などの意見が出た。
ただ、琴電側からは「現在のダイヤでも需要に合っている。経済合理性の面から、LRTが持続可能な構想なのか疑問がある」などと慎重な意見も出ており、協議会では事業の採算性や公的支援の可能性なども含めて詳細に検討する。