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2009年3月13日 (金)

模型屋のボヤキ

 カトーのNゲージ、E231系近郊型が再生産されました。販売形態も変わったのですが、これを見ていると模型屋としてはボヤキたくてしようがありません。ちょっといじって「NEW!」「NEW!」騒ぐのは相変わらずですが、いくら入門者を獲得すると言っても、これはないでしょう、と言う部分が多すぎです。鉄道模型に参入したいと思っている人の心理を読んでいるのでしょうか?

231

 これが「まず最初に買ってください」という基本セットです。これを見てどう思いますか?どう見てもプラレールのような子供の玩具という感覚ですよね。モハはユニットになっていないし、その代わり目を引くグリーン車は入っている、と言った具合。増結の4両を買うとブックケースに8両編成で収まって「リアル」な編成になる、と謳っているのですが、この電車の基本編成は、これにサハ2両を加えた10両です。電車好きな小学生でもこれくらいのことは知っていると思われるのに、何でこんな中途半端なことをするのでしょう?

入門者へ向けての「ベスト・セレクション」シリーズですが、まず対象年齢は8歳以上、となっています。8歳といえば小学校2年生、親には「もうオモチャなんか卒業しなさい」と言われる歳です。小学校に入ればプラレールがいかにインチキくさいかは、電車が好きな子だったらわかるわけです。そして、鉄道博物館のレイアウトを見て、自分もこんなのがほしいな、と思い始めます。ちゃんと台車もあるし、ライトも光る、そして実物通りの編成・・・。鉄道模型に手を染めるきっかけは大体そんなところのはずです。そして、それが一生ものの趣味へとつながっていくのです。

 言いかえれば、子供のオモチャを卒業して、大人の趣味の世界に入る、ということなのですが、どうも今の業界にはそういった感覚がありません。でたらめな編成でも売れればよい、品質が粗悪でも今まで出ていなかったものを出せば売れるだろう、と言う感じです。鉄道模型と言うのはもともとは大人の趣味でしたから、凝っている分値段は高く、そうすぐに売れるものではなかったはずです。しかし現在では中国製の粗悪な商品などの台頭もあって、1ヶ月で売れなければ売れ残りのレッテルを貼られ、最後は販売店自らが身銭を切っての投売り合戦。これが現在のNゲージの実態です。安売り量販店の価格競争は、限りなく仕入原価に近いところまで行きましたが、それでも売れないものは売れません。それは製品を購入するユーザーの心を捉えてないからだと思います。

 趣味の商品だけに買い手はしっかり見ているのです。たとえ小学校2年生であっても。何だか目先の営業成績だけに目が行ってしまっているようです。模型と言うのは「癒し」の道具の一つです。成果主義のノルマに縛られた中では良い企画は生まれてこないと思います。趣味の商品と言うのはけっしてマニュアルでがんじがらめにされた中では良い商品は生出来るわけがないのです。何故かと言えば、そのような企画には、買い手の心情と言うものが反映されていないからなのです。

 最初から投売りに頼らなくても売れる、付加価値のある製品を出してほしいものです。

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コメント

結論として さま
 コメント有難うございます。結論として一つ言えるのは、例えばプラ製品の場合、それに適する題材、適さない題材があると言うこと、量販店で販売するについて適する取材、適さない商材がある、ということでしょうか。これらを否定するつもりはありませんが、そうした(他の事柄でも)適否というのは厳然として存在すると思います。一例を挙げれば、旧型客車や旧型国電などはプラ製品には不向きな題材だと思います。この辺については折に触れて述べてはいるつもりです。
 今回、このテーマを取り上げたのは、最近のこうした商品政策の中に、メーカーの基本スタンスが変質しつつあるように思えたからです。
 もちろん、時代とともにスタンスが変わるのは当然のことでもあります。でも、変えてはいけない部分のいうのもあると思うのです。 
 231系と言う題材について言えば、当地ではポピュラーな存在です。当然入門者の関心も高いでしょう。しかし、このような売り方が主流になれば、初心者はパンタ付とグリーン車があるからこれでいいや、と言う感じになってしまうでしょう。せっかくの入門の機会なのにちょっと上等な玩具、というところで終わってしまうのです。一方で、これまで長く贔屓にしていたファンの方には、「何だ、ここはそのくらいのつもりでやっていたのか」という気持ちにさせてしまうと思います。
 去年の年末に出た「ユニトラックガイドブック」と言うのがあります。これの中に「ママにも分かるNゲージ」と言う項目があります。まるでママと一緒でなければ遊べない幼稚園の子供でも相手にしているようです。さらに、その項目の中には、「オモチャとはどこが違うの?」という項目があるのですが、ここで述べられている模型の定義は非常にあいまいです。
 対象年齢8歳以上と言えば、小学校2年生です。大昔、カツミが出していた自由形の入門セットも同じくらいの年齢を意識していましたが、それこそ中身はプラレールがHOの線路を走るようになったようなものでした。でも、「ママにもわかるHOゲージ」などという説明はありませんでした。線路への配線等の説明は普通に大人に向けたものと変わらず、デパートで一通りの説明を受けたあと、家で走らせる時には、読めない漢字を教えてもらいながらセッティングしたりしました。極めて小さいながら、交通博物館のレイアウトと同じ規格のものがやってきた、という喜びがありました。いずれはスケールものの列車が走る日を夢見て。スケールものの電車が初めて登場するのはそれから10年近くあとだったのですが。
 昔の話ではありますが、今でも初めてNゲージをやろうとする人の気持ちはそんなに変わっていないのではないか、と思います。「ママにもわかる・・・」と言う項目が出てくると言う時点で、メーカーのスタンスがどういう方向に向いているのかが分かりますし、こうした実車をまったく無視した内容のものが出てくるのは、このスタンスの延長で商品が企画されているからだと思います。
 そして、模型「屋」がボヤクのは、買ってくださっている大人のファンの方を悪く言えばバカにしているようにも思えますし、「うちはオモチャ屋をやっているのではなく、模型屋をやっているんだ」ということからなのです。
 いくら中身が良くてもこうしたソフト面で心象を悪くする、と言うことはあると思います。もし、まだ目を通されていないようでしたら、是非「ユニトラックガイドブック」を読んで見てください。あそこに最近のこのメーカーの基本姿勢が凝縮されていると思います。何といっても、ユーザーの皆様も販売店も、このメーカーは玩具メーカーではなく、模型専門メーカーだと信じているのですから、変えてはいけない一線というのも見えてくると思うのです。

投稿: さがみ | 2009年3月18日 (水) 01時10分

管理人様
今回のあなた自身のコメントを読み返してください。多くの意見が寄せられるにつれ、あなたのコメントもトーンダウンしていますよね。量販店批判、メーカー批判、プラ製品批判をするのであれば、最後まで貫いてください。それでこそ、あたなのいう、模型「屋」ではないでしょうか?

投稿: 結論として | 2009年3月17日 (火) 22時43分

川崎住人さま
 コメント有難うございます。まことにもって仰るとおりです。買っていただいて喜んでいただける、というのがまず第一ですね。そして、模型屋というところには様々な情報が集まってきます。今では製品の発売情報などはメーカーのHPを見ればすむわけですが、他にも工作の技法とか、実物の情報と言ったものがいろいろあるわけです。工作技法など、十人十色ですから、お客様のお話を伺っているとへえ、なるほど、と感心することも多いですね。このブログが店HPという位置づけながら、何故新製品案内や入荷情報が少なく、工作記事や実物記事が多いのか、というと、そうして集まってきた情報の中で有益と思えるものや参考にしていただけるようなものを積極的にご紹介していただくことで、ユーザーの方々には買っていただいたものを存分に楽しんでいただきたいと思っているからです。16番キット解説の記事も、キットを初めて組む方に向けていると同時に、この中にはもしかするとNゲージ工作にも使えるものがあるかもしれませんよ、と意味合いも持たせています。この辺は手探りながら、そうした類の情報が案外少ないと言う声は良く聞きます。買ってよかったと思っていただけるように頑張りたいと思います。

投稿: さがみ | 2009年3月16日 (月) 16時56分

管理人様
初めましてで、不躾なコメントを致しまして、大変失礼致しました。
私が子供の頃は、いつ模型屋に行ってもまず間違いなく欲しい物が有りましたが、現状を見るにつけ、単に「時代が代わった」だけでは語り尽くせない部分もございます。メーカーも、何とか沢山売ろうとしているのも事実ですが、もう少しユーザーの意見が届く様になれば良いとも思います。貴店の様な、買う側使う側に立った意見を言える店と言うのも必要かと存じます。ボヤキがメーカーに届いて、一層良い方向に向かえば、それに越したことはございません。「ご意見番」と言う表現がはたして相応しいかどうかは分かりませんが、私はそう言うの、好きですねぇ。
私はNゲージを(出戻りで)楽しんでおりますが、こちらの掲示板から色々楽しく遊ぶヒントを頂いております。色々有りますが、模型って、やっぱり楽しいですよね。
長々と、駄文を失礼致しました。

投稿: 川崎住人 | 2009年3月16日 (月) 16時31分

川崎住人さま
 コメント有難うございます。もう今は、それだけ「ボヤク」店主がいなくなってしまったのかもしれません。そして模型「屋」というものも少なくなりました。昔は店の親父にお客さんが怒られてたなんていうのも良くあったんですがね。店もお客さんも情熱がありました。今はその頃よりもはるかに充実していますし、ユーザーの方々の情熱も変わりません。裾野が広がったんですから、様々な考えが出てきて当然です。そういった声をメーカーに届けられれば、と思います。

投稿: さがみ | 2009年3月16日 (月) 14時35分

夢の鈍行列車 さま

 コメントありがとうございます。そこがポイントなのです。売り方にもいろいろな方法があって良い、というのが鉄道模型の奥深いところでもあるのです。マテリアルにしてもプラ製品が悪いと言っているのではありません。どんな材料を使っても良い面・悪い面はあります。
 編成方法の説明も、こういう考え方も出来ます。あの商品は量販店に並べて初心者を吸い上げよう、というコンセプトですね。一応箱の裏には編成表もありますが、初心者の方が陳列してあるものを見て「何か違うなあ、どこが足りないのだろう」と思ったときに店員さんに相談したとします。量販店の店員さんは必ずしも詳しいわけではないですから、恐らく箱に出ている編成表を見せて、これとこれを買えばいいです、ということになるでしょう。でも、そこで専門であるメーカーさんがちょっとした解説を付けておけば、それを買った入門者の方の興味はますます深まってメーカーとしても長いお付き合いの出来る優良顧客がゲットできるというわけです。
 お隣のジャンルのプラモデルに良い例があります。タミヤのプラモデルの説明書を見ると、1面目には実車の解説や戦車などではその時代の歴史背景なども解説されています。組立に際して、プロトタイプについての知識を持ってもらうと言うことで一層楽しみを深くして欲しい、ということだそうです。そして、本来プラモデルの箱は密封していないものです。箱を開けて説明書やパーツを見ることで内容を検討して買ってもらうためです。タミヤの実車解説はそうした商品選択の指針にもなっているのです。ところが今では、部品を盗まれるからと、箱に封をしている量販店もあります。組み立てキットですから、中身が分からなければおっかなくて買えませんよね。ちょっとした売り方で売れるものを売れなくしている事例です。
 「量販店批判」と言う言葉がありますが、管理人は量販店を否定しているわけではありません。店のコンピューター関連の消耗品などを購入したりもしています。行ったついでですから、当然ホビーコーナーも見ます。そこで思うのは、「安く売っているからけしからん」というものではないのです。量販店と言う業態に果たして模型と言う商品は合うのだろうか、ということなのです。
 もう一つのテーマ、プラスチック製品ですが、こちらも最近ちょっと気になる動きがあります。一例を挙げれば、TOMIXのHO製品、これまでは殆ど韓国製、一部が中国製でした。しかし、この間出たコキ106は日本製でした。コンテナ車はたくさん欲しいですから海外で安く作って売価も抑えれば、と思うところですが、値段以外に何か問題があったのではないかと思っています。Nゲージで最近出たED75-700も国産でした。
 プラ製品はディテールも良く、重量も軽いですから、管理人も貨車などで愛用しています。決して否定などしません。このジャンルで品質面で最も安定しているのはやはりKATOですね。
 プラ製品はどこでも作れるので、コストダウンを目指して中国に投げたりすることも多いのですが、こうした場合に出てくるのが、ぱっと見ではわからない素材そのものの品質です。
 こんなことがありました。以前TOMIXのHOでタキ3000のプラキットがあったのですが、これを買っていただいたお客様から、プラスチック用の接着剤でくっつかない、というお話しがありました。これは韓国製だったはずですが、説明に沿ってプラモデル用の接着剤を使ったんだが、ということでした。普通のプラモデルと同じような構成ですから接着できないとなるとお手上げです。メーカーに問い合わせてみても埒が明きませんでした。きっと、向こうの工場が勝手に値段の安い他の樹脂でも使ったのかな、と思いましたが、結局迷宮入りになってしまいました。
 それから、これは管理人自身の経験ですが、製作記事にもありましたブラスのオユ10をやった時にTOMIXのオユ10のインテリアを使いました。床構造が異なるのでこれを中央で分割することにして切断をはじめると、一気にまるでくもの巣のようなひび割れが走って崩壊しました。樹脂関係に詳しいお客様によれば、「よっぽどひどいものを使っているんだなあ」とのことでした。
 ブラスだってそうです。以前組んだ韓国製造のキット、異常にハンダの食いつきが悪い上に、3日も放置しておくと真っ黒になってしまいます。ハンダの食い付が悪ければ部品が後でボロっと取れてしまう恐れもあるわけです。真鍮というのは合金ですから、その配合比率が違って安いものでも使っているのだろう、と思いました。
 様々な事例を経験しましたが、ここで言えるのは、海外製造の場合、素材から生産工程、製品まで一元的な管理が出来るのか、というのを問題にしたいわけです。特に製品になってしまえば素材の良し悪しというのは見えて来にくいものです。
 模型と言うのは、ある種癒しの商品です。それがある日突然崩壊したりしたらどうでしょう。それがお気に入りだったらなおさらですね。たくさんの部品で非常に複雑に作られているわけですから、お値段もそれなりにします。ですから、表から見えない素材や製造工程の管理がとても大事なのですよ、と言いたいのです。
 形のあるものですから、原価を抑えれば当然それなりのものしか出来ません。最近は鉄道模型がどこでも手に入るようになって、こうした最も基本的なことがらに目が行かなくなっているようです。売り手としても、買ってがっかりされるようなものは売りたいとは思いませんし。
 まあ、こんな考え方でやっているのですが、また、いろいろお聞かせいただければと思います。

投稿: さがみ | 2009年3月16日 (月) 13時34分

皆さん、表題をもう一度良く読みましょう。店主(失礼)のボヤキに、そんなに熱くなる事も無いとは思うのですが。
議論は大切。でも、ねぇ。

投稿: 川崎住人 | 2009年3月16日 (月) 12時56分

>改造記事を掲載されるのは構いませんが、メーカーの批判は販売店がするべきではありません。

とお考えになるのが普通だと思いますが、問屋さんなどでお話をすると、「むしろ販売店さんの方からストレートに言って貰った方がいいんです」と言われます。その理由は、販売店と言うのは直接お客様の声を聞いているわけなので、それが伝わりやすいから、と言うことだと思います。メーカーの営業の方などがいる時にはもちろん直接お話をします。そして、その内容は、批判すべきは批判し、良いところは積極的に褒める、と言うことですね。メーカーは問屋さんを通して商品を供給していますから、お客様のホンネというのが見えにくいと言うこともあります。
 16番の世界でカツミやエンドウが本社の付帯でのショールームという形でなく、街の中に直販店を出しているのもそういう意味があってのことでしょう。Nゲージのような量産品の場合、数が多いこともあって、仕分け・配送と言った流通に関する仕事は問屋さんに任せなければなりません。問屋さんも直接ユーザーさんに接触するわけではありませんから、メーカーの営業に対して商品の評判を話す場合には、受注の数量を基にした話ししか出来ないわけです。
 そうした店頭でのお客様とのお話の中で出てきたことがらを様々な形で伝えていくのも販売店の仕事なのです。それが結果として、良い製品作りにつながっていくのだと思っています。
 管理人自信も模型は好きです。鉄道模型と言うものを手にしてから40年は経っています。自身の「何故40年も飽きずにやっているのか?」ということも振り返りながら、いささかでもよりよい製品作りの力になれたら嬉しいなと思っています。

投稿: さがみ | 2009年3月16日 (月) 12時19分

改造記事を掲載されるのは構いませんが、メーカーの批判は販売店がするべきではありません。

投稿: | 2009年3月16日 (月) 11時35分

詳しいご返答ありがとうございます。
ただ、何やら政治家の答弁のようでよく理解できたところもあれば、?な部分もありました(^^)。

模型界の状況はよくわかりました。ただこのような問題は各メーカー自身も十分に承知しているように思います。
管理人さんだけが気づいていているのならば批判も意味があるでしょうが、むしろ問題はみんなが問題点をわかっていながら誰も止められない、ということだと思います。
そのような中では批判や否定を並べるばかりでは何も改善されないでしょうし、管理人さんの思いも読み手には素直に伝わらないでしょう。

それはE231についてだけではなく、たとえばブラスの良さを語る場合でも「プラではできない」「安易なプラ製品」「量産品ではこうはいかない」、という表現がしばしば使われます。ブラスの良さを伝えるのにプラスチック製品をいちいち引き合いに出されては、これを楽しんでいる人はどう思うでしょう。ブラスの良さが本当に伝わるでしょうか。
プラを否定することでブラスの魅力を訴えるのはあまり説得力がないばかりか、かえって店の間口を狭めてしまうことにならないでしょうか。よけいな心配だ、といわれればそれまでですが。

私は販売店がブログでメーカーや製品の批判をするのはとても勇気がいる行動だと思います。
しかしその一方でメーカーからこういった不完全なセットが出たら、それこそ専門店の出番では?とも思うのです。
入荷にあわせて批判を展開するよりも、その不完全さを逆手にとってそれをフォローする解説記事を書けば、大人の趣味に目覚めた子供たちに日頃管理人さんがおっしゃっている「模型の奥深い世界」の一端を伝えることができると思います。
ユニット式電動車の説明をはじめMM’、Tcなどの記号や空気側、電気側の意味と車両の向きなどなど、この世界に興味を持ってくれた若い仲間たちに伝えられることはいくらでもありますよ。
そこは豊富な知識を持ち、説明上手な管理人さんならばまさに得意とするところでしょう。

Nゲージも単品売りだった頃は、ひととおりそろうまでには中途半端な編成を走らせていた経験を多くの方が持っているのではないでしょうか。はじめは辻褄が合わないE231のセットでも、「次はモハE230を買うとぐっとリアルになるよ」とじょうずに導いてあげれば新しい模型仲間の世界がより豊かなものになってゆくと思います。
(「次」にその製品があるとは限らないところはやはり問題ですが…(^^))


「…編成の仕方の解説なども加えておけば完璧ではないでしょうか」と、すべてをメーカーに期待することもひとつの方法だと思いますが、そこまでメーカーが完璧に用意してしまえばあとは価格競争になりませんか? 提供されるものに大きな違いがなければ私なら近くの安いお店で買いますよ。少なくとも、店主が批判している製品をその店で買おうという気にはなりません。

管理人さんにとってはメーカーの都合によって生み出された許し難い商品なのかもしれませんが、それをうまくフォローできるのが専門店の強みではないでしょうか?
批判や否定によってその強みを発揮できる場をつぶしてしまうのはもったいないなぁ、と思うのです。

少々アツくなってしまいましたが、どうかご理解を。

投稿: 夢の鈍行列車 | 2009年3月15日 (日) 21時25分

夢の鈍行列車さま
 コメント有難うございます。まあどうしても工作記事が中心になってしまうのですが、現状こういった情報が非常に少なく、やってみたくてもどこから手をつければよいのか分からなかったという方も多く、この記事をきっかけに始めたという方も多いのです。始めて見ればまた謎の部分も出てきて、出来るだけいろいろな事例を紹介して欲しいというご要望もいただいております。商品の紹介も兼ねながら、と思っているのですが、なかなかやりたいこと全部は出来ませんね。まあ一つのスタイルとしてご覧いただければと思います。それだけ実は鉄道模型の世界は奥が深いと言うことでご理解いただければと思います。
 最近のメーカーの営業スタイルのお話、ごもっともだと思います。しかし、ユーザーサイドから見た場合、特に最近復活された方などから、「今は模型は予約しないと買えないのか?」とか「有償のカタログを買ったが、そこに出ている商品はないものが多いではないか」というお話を良くいただきます。これまたごもっともなお話なわけですが、その裏に隠れているのが、安売り量販店の台頭、供給過剰な新製品の嵐、それに伴うメーカーの営業姿勢の変化です。問屋さんへ行くと時々メーカーの方が来ていますからお話することもあるのですが、「市場にいつでもあると思われると売れなくなるので、完全に見なくなるまでは再生産しない」とか「今買わないとなくなっちゃうよ、という強迫観念に訴えた営業をしている」とはっきり言います。別にKATOに限らずどこも同じです。模型と言うよりはゲームなどと同じような感覚です。安売り量販店は当然利益も少ないですから、その分どんどん商品を回転させなければなりません。これがパソコンのような汎用の機会とか日用雑貨のようなものであれば良いのですが、模型の場合はどうでしょう。毎日毎日買うものでもありませんし、誰でも買っていくものでもありません。だからちょっといじって「新製品」と謳ったものが乱発されているのだと思います。そこには鉄道模型を愛するユーザーの持ちは全く反映されません。
 鉄道模型は一生ものの趣味だと言われますし、何十年もおやりになっている方も多いわけですが、現在の状態ではこれまで長く続けてこられた方はもちろん、ビギナーの方も満足できる商品は出て来にくくなると思います。
 何十年ものスパンで楽しむものですから、ユーザーとしてもまったりと楽しみたいと言う気持ちはあるはずです。今はメーカーのペースにはめられて買わされている感じだ、とおっしゃる方も多いですね。そんな形で長続きするわけがないと思います。
 常々疑問に感じていたことを書いて見たのですが、いろいろなご意見をいただき、ユーザーの方の今の気持ちも見えてきました。実際にお越しいただいているお客様のご意見も大体そんなところに集約されるようです。こういった部分が実は店の運営にはとても大事なことなのです。相手あっての商売、これはメーカーにとっても同じことが言えると思います。鉄道ファンの心を掴んで離さないような商品の供給、ということですね。

投稿: さがみ | 2009年3月15日 (日) 16時41分

初めまして、夢の鈍行列車といいます。よろしくお願いいたします。


このブログを読み始めたのは2年半ほど前だったと思います。以前は毎日更新を楽しみにしていたのですが、最近はたまに見る程度になりました。

理由は同じ内容の繰り返しと、批判がとても多いからです。

ブログをしばらく読んでいると、管理人さんがプラ製品、量販店、投げ売り合戦、中国製をとても問題視していることがわかります。
おっしゃることは理解できますし、読み始めた頃は共感することが多かったのですが、こうも執拗(と言っていいほど頻繁)に同じ批判がこれでもかと繰り返されると正直読んでいて辟易してしまいます。
帰宅してさあこれから模型製作に取り組もうというときに、批判の多い記事を読むとその内容は理解できても模型の楽しさが伝わってこないばかりか、製作意欲がそがれてしまうのです。

管理人さんは業界に身を置く方なので、その思いやこだわりは私の及ばないものであるでしょうしそれはいつも素直に尊敬しているのですが、「模型メーカーとしてのプライドを捨てたなりふり構わない営業姿勢」などといわれると、業界の内情についてはよく知らない私にしてみればちょっとついて行けないなぁ、と感じてしまうのです。


時には批判も大事ですが、できればお互いが楽しくなるような記事が多くなるとうれしいのですが、いかがでしょう。

投稿: 夢の鈍行列車 | 2009年3月15日 (日) 12時59分

のぞみ さま
 コメント有難うございます。模型というのは一定の縮尺のミニチュアで可能な限り実物を再現するものです。鉄道について言えば、車両単体ももちろんですが、列車の編成内容やさらには線路やストラクチュアなどにもこだわりたいものです。
 最近の231系や531系の4両セットを見ていると、もう模型メーカーとしてのプライドは捨てて、とにかく家電量販店の玩具売り場でもどこでもとにかく数が売れれば良い、と言う姿勢が明確です。
 編成内容もそうですが、大人の趣味の模型としての品格が疑われるのは、まずあのパッケージですね。TOMIXの3両セットシリーズを真似たのでしょうけれど。TOMIXの3両セットは、プラレールを卒業した小学生くらいの入門者を意識して、自然に自社のTOMIXに誘導しようと言うものです。模型として見るとあまり感心できないのですが、玩具メーカーの営業戦略としてはこういうのもありかな、という気はします。広範な玩具販売のチャンネルを使って鉄道模型ビギナーを吸い上げようと言うわけですね。KATOの方はもともと16番のドロップ台車を作っていたところですから、玩具ルートのチャンネルはそれほど多くはないでしょう。しかし、ユーザーにしてみれば、模型専業であるというところに絶対的な信頼があると思います。それが、1万円もするものを駅の売店でぶら下げて売っている電車のオモチャのようなパッケージで売っているわけです。外箱のデザインも玩具メーカーほどお金をかけていないのか中途半端です。
 もう一つ問題なのは、不安定供給で有名なKATOですから、細切れになればなるほどきれいに揃えるのが難しくなると言うことです。231系で言えば、以前の8両と2両で基本編成を作るようになっていた時でもサハ2両が早々になくなっていたと言うこともありました。しかも次の生産では仕様変更、車番変更で固定編成なのに番号が揃わなくなる、と言うことがありました。231系は山手線なども含めて毎回のように仕様変更が行われています。前回分の在庫を持っているお店など、相当困っていると言うような話も聞きました。お客様は新しいものの方が良いと思うのは当然ですし、編成両数までいじられれば在庫の分がまず売れる目がなくなってしまいます。
 KATOがアテにしているアメリカの経済が深刻なせいなのか、あるいは安価な中国製品に海外市場を食い荒らされたせいなのか、実情は定かではありませんが、それにしても国内向けに関して言えば、なりふり構わない営業姿勢が目につきますね。
 やはり模型メーカーとしてのプライドを持った商売を展開してほしいと願うのが模型屋の気持ちでもありますし、ユーザーの皆様もきっと同じ気持ちだと思います。
 

投稿: さがみ | 2009年3月15日 (日) 11時11分

あなたの20系の3-4両編成は電源車、緩急車は入っているがが単に短かっただけではないでしょうか。それなら実物でも単に短いだけで何の問題はありません。ただここで皆さんが言っているのはいくら模型でも最低限、実物の構造というか編成ルールを理解した商品作りをするべきだという話なんだと思います。

投稿: | 2009年3月15日 (日) 06時53分

 はじめまして、のぞみです。いつも楽しませていただいております。

 私もこのセットやE217系のセットを見た時は内容はどうかと思いました。
 模型としての品格を持たせるためには、ルールに則った編成が組めるセット割にするのは必須であると思います。

 鉄道車両の本物を忠実に再現するというのは、個々の車両の出来だけではないと思います。
 編成全体としても理論上成立するものである必要があると感じました。色々と考える必要があるからこそ、大人の趣味であると思います。

投稿: のぞみ | 2009年3月15日 (日) 00時45分

 いろいろなご意見があるのは承知しておりますが、初心者の導入に熱心なのは認めますが、どうもその企画の軸がずれているのでは?と言うことを申し上げたいのです。カトーだけではありません。TOMIXでも「団塊の世代向け」のDD51と客貨車が入った入門セットがありますが、あれなどもTOMIXの持ち駒にSLがないのでDD51というのはわかるとして、あの車両なのになんで橋上駅舎なのですか?と言う感じがありますね。TOMIXに昔からある木造駅舎の方がよっぽどしっくりすると思いませんか。小学生であれ団塊世代であれ、これらの商品を買っていく人たちは大体鉄道ファンです。やはり相手があっての商売です。「KATOの戦略がわからない」というのは、KATOが模型メーカーであると言うことでの話です。小学生の入門者であっても、これを見れば「何だ、今までのオモチャと変わらないじゃない」と思う可能性は十分にあると思います。短縮編成を作るにしても、例えばMM’ユニットの原則を守った内容だったりすれば、また違った感じになるのではないかと思います。増結セットの方はサロ2両入りにするとか、あるいはそれに加えてモハユニットをもう一つ、でも良いと思います。そして編成の仕方の解説なども加えておけば完璧ではないでしょうか。
 旧製品の20系の時代には、製品の水準は今にはるか及ばないものの、鉄道模型メーカーとしての風格のようなものがありました。今は、家電量販店の玩具売り場でたくさん売れればよいと考えているのか、こうした企画のやり方が殆ど玩具同然になってしまっているように思います。対象年齢の最低限である8歳という年齢では、ちょっと背伸びをして大人の趣味の世界を感じたいとも思っているでしょう。
 入門者が最初に持ったイメージは、その後長く続けられるかに大きく関連してきます。とても大事な部分なのに、企画の内容の検討が十分ではなく、目先の売り上げの数字の方へだけ目が行っているように思います。
 せっかくNゲージのパイオニアとして数々の技術も持っているわけですから、こうしたソフト面でも追う少し気配りをして、持てる力を発揮してほしいと思います。

投稿: さがみ | 2009年3月14日 (土) 22時51分

じゃあ、あなたは、このような製品は売らないのですね。私は、鉄道模型歴35年以上になりますが、初めて手にした、関水金属の20系客車は、3.4両で機関車に牽かれていました。今回の、katoの戦略がわからないとは、ある意味、お幸せな販売店ですね。

投稿: | 2009年3月14日 (土) 22時17分

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