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昨春から一転、値下げラッシュ 行き過ぎなら企業圧迫も(1/2ページ)

2009年3月30日23時31分

図:  拡大  

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 原油や小麦などの価格高騰でモノ・サービスの値上げが相次いだ昨春とは一転し、09年春は値下げ競争が加速している。世界的な経済危機で原材料価格が急落しているのに加え、節約志向の消費者を引き付けようとの狙いからだ。消費者にとってはありがたいが、競争が行き過ぎれば企業の収益を圧迫しかねない。(五十嵐大介、伊藤裕香子)

 敷島製パンは主力の食パン5品目を5月から値下げする。政府の輸入小麦の売り渡し価格が約3年ぶりに引き下げられるためで、最大手の山崎製パンは総菜パン類ですでに値下げに踏み切った。明治乳業も原料とする輸入チーズの価格が下がったとして、3月からスライスチーズなど25品目を値下げした。

 07年秋から08年春に商品などの値上げが相次いだのは、世界的な好景気を受けて原油や穀物などの原材料価格が高騰したことがある。電気代や飛行機の燃油サーチャージなど、原油価格などの値動きが大きく影響するような商品やサービスは、値上げが一転した。だが、原材料価格とはまた別の次元で、不況下の春は競うように、さまざまな値下げが進んでいる。

 大手スーパーは売り上げを少しでも確保しようと、昨秋以降は何回も値下げに踏み切ってきた。さらに3月中旬から、イオンは食品メーカー製品3400品目を2〜4割程度下げ、イトーヨーカ堂は2600品目を一斉に値下げした。コンビニ弁当もいまや300円台が次々に登場しており、ローソンは「生活防衛意識が高まっており、値ごろ感を出したい」という。

 通販化粧品大手のディーエイチシー(DHC)が化粧水や美容オイルなど13品目を11日から8〜27%値下げしたのも、「価格を下げ、より多くのファンを獲得するため」。ユニクロは低価格戦略をさらに加速させており、例えば、ユニクロ系の格安ブランド「ジーユー」のジーンズはわずか990円だ。

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