98年のテポドン1号発射を祝して北朝鮮が発行した記念切手 [ 拡大 ]
北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射後に「平和な人工衛星」打ち上げを祝う“お祭り”を計画していることが30日、分かった。当初は来月4日とみられていたミサイル発射日は、天候の関係から6日以降になる可能性が高いが、専門家はこのミサイルが「北の祝砲になる」と指摘。港湾都市・元山付近で中・短距離ミサイルの発射準備を進めていることも発覚したことから、“祝砲”を撃ちまくって金正日総書記の快気祝いにするつもりのようだ。
消息筋によると、お祭りは、故・金日成主席の誕生日(4月15日)の祝典と同時開催される。韓流ならぬ朝流スターが所属する数十もの芸術団が公演するほか、平壌市内の金日成広場でも集会が予定されているという。
コリア・レポート編集長の辺真一氏は「金正日総書記は4月9日に行われる最高人民会議で姿を見せ、完全復活をアピールする。テポドン2号はいわば、健康回復に対する祝砲」とミサイル発射の意味合いを説明する。
北朝鮮は1998年8月のテポドン1号発射時に記念切手を発行。2006年10月の核実験時も、実験から11日後に平壌で10万人規模の祝賀集会を開催した。
民間研究者の1人は「祝典は『成功』を前提にしたもの。万が一、テポドン2号が爆発したり途中で落下しても、98年のテポドン1号で衛星を軌道へ乗せるのに失敗したケースと同様、強引に『成功した』と宣言するに違いない」と言う。
ミサイルと祭りの関係について、奇祭評論家の杉岡幸徳氏は「ロケットは男性器の象徴ではないか。武器の誇示は、性を誇示したいという祭りの根源的なもの。日頃やってはいけない暴力的なことを発散させたり、性の発露としてロケットと祭りはつながりがある」と独自の説を披露する。いずれにしても、北はミサイル発射を控え、興奮状態にあるようだ。
実は日本でも、今回のミサイル発射に関連してて、「北朝鮮まつり」なるイベントが4月14日、東京・歌舞伎町のロフトプラスワンで開催される。ただし、こちらは北朝鮮についてマジメに論じる交流会。主催者で朝鮮専門書店・レインボー通商の店主、宮川淳さん(53)によると「朝鮮半島への興味や向学心を抱いた人たちが交流する場」という。
著名な朝鮮研究者やジャーナリストも参加する会だが、今回は訪朝歴があり、朝鮮半島の空気を知る日本人女性のゲスト参加も予定されており、大いに盛り上がっているという。
ただ、そうしたお祭りができるのも、テポドン2号が日本に被害をもたらさないことが大前提だが…。