準大手ゼネコン「西松建設」の違法献金事件で、同社が加わったJV(共同企業体)が96年以降、県発注の建設工事で12件受注、最終額で193億435万円の契約を結んでいたことが分かった。うち8件が随意契約。一般競争入札による4件も落札率は84・7~94・7%だった。同社の一部幹部は「東北地方で工事を受注するには、(民主党の)小沢一郎代表側に頼る必要があった」などと話しているとされるが、県総務室は「当時、年間1000億円以上発注しており、むしろ少ない印象だ」と話す。
県総務室によると、花巻空港平行誘導路工事や簗川ダム建設によるトンネル工事などを受注。随意契約はいずれも一般競争入札で受注した工事に関連する事業だと説明している。防災ダムは88年、同社などによるJVが落札したという。
一般競争入札で受注した花巻空港用地造成(平行誘導路と滑走路延長など)の落札率は94・7%、主要地方道盛岡大迫東和線トンネル築造は94・5%。全国市民オンブズマン連絡会議などが「談合の疑いが極めて強い」とする落札率95%の基準に迫る高水準だ。
これに対し、同室の金田学・入札担当課長は、▽当時、県営工事の発注は多数あって競争が激しくなかった▽当時の落札率としては平均的--と説明している。
県は、新潟市の下水道工事や防衛施設庁発注の土木建築工事などで、独占禁止法違反による排除措置命令などを受けているとして、同社を07年6月23日から指名停止措置にしている。【山口圭一】
毎日新聞 2009年3月6日 地方版