入院や手術が必要な重症患者を診る二次救急を休日や夜間に引き受ける広島市内の病院が減り、4月から一部の診療科で必要な病院数を確保できない日が生じることが29日、分かった。軽症の来院患者の増加などで疲弊した病院が輪番制の参加を敬遠し、踏みとどまった病院にさらに激務がのし掛かる悪循環が生まれている。
広島市内で必要な二次救急の病院数は、市と市医師会でつくる広島地区病院群輪番制運営協議会が診療科ごとに決める。うち整形外科は1当番当たり「2病院」が受け持つルールだが、新年度は年間平均で「1.9病院」となり、1997年の輪番制開始以来初めて下限を割り込む。10日に一度は当番病院が一つになる計算だ。
新年度の輪番制には、公立の広島市民病院(中区)、舟入病院(同)と民間の計27病院が参加を計画。ピークだった1998年度の32病院から5減となり、参加頻度が月1、2回にとどまる病院も増えた。
事態を重くみた市や医師会、広島大病院(南区)などは新年度から、二次救急体制の在り方の見直しを始める。同運営協議会の種村一磨委員長は「二次救急は、医師や病院の使命感を支えに成り立っていたがもう限界。新たな手だてを考えなければ崩壊する」と危機感を強めている。
【写真説明】腕を骨折した子どもを診る二次救急病院の当直医師
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