「たばこの害から子供を守ろう」

　先日、新しく入社した記者の歓迎会に顔を出した。以前だったら宴会の場で、所構わずたばこの紫煙が漂っていたが、そういったものは感じなかった。

　▼ほかのグループの部屋でもたばこのにおいはないようだった。たばこを吸わない者は、少しのたばこのにおいでも敏感に感じる。世間の喫煙に対する考え方の変化を感じた。

　▼喫煙者は平気でも、ニコチンをはらんだ煙は空気中を漂ってどこへでも流れていく。それによって受動喫煙の害を被る。特に子供や妊産婦への影響は重大に考えなければならないという。

　▼厚生労働省の検討会が、受動喫煙防止対策について３月の初めに、病院や公共交通機関など不特定多数の人が利用する場所は「原則として全面禁煙であるべきだ」とする報告書をまとめた。受動喫煙が、血管機能や子供の呼吸機能の発達などに悪い影響があるとしている。

　▼検討会では一人の委員が「その場に喫煙者がいなくても、以前そこで喫煙が行われていれば、そこへ入った子供はたばこのにおいにさらされ、たばこの残留成分を吸い込む。これは有害ということが明らかになっている」というアメリカの小児科学会の論文を紹介している。

　▼受動喫煙の有害性は知られるようになったが「残留たばこ煙成分」が有害だということは、あまり知られていない。当地でも人の集まる公共場所の禁煙など、大切な子供を、たばこの害から守る手立てを真剣に考えたい。（香）

(2009年03月30日更新)

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